更新日: 2020.08.20 17:02
ERC第2戦:18歳のオリバー・ソルベルグ、オストベルグやブリーンらを振り切り大会連覇を達成
明けた日曜は全6ステージ、87.66kmの勝負となったが、この日も主役を演じたのはソルベルグ。2003年WRC世界王者ペターの血を引く18歳は、オープニングのSS5こそわずか0.1秒差でオストベルグに最速を譲ったものの、そこから2本連続でSSベストを奪取し、ミッドデイ・サービスまでにそのマージンを22.4秒まで拡大していく。
しかしSS8を前に彼のポロGTI R5はエンジンに不調を抱え、再びオストベルグがトップタイムを記録。そのままラリーを失う可能性まで懸念されるも、SS9で息を吹き返したソルベルグは安全策のクルージングを選択せず。残る2本でフルアタックを敢行し、ここでも連続ベストを記録。2番手オストベルグに20.1秒差を残し、2年連続の『ラリー・リエパヤ』制覇を成し遂げた。
「ラトビアのステージは本当に好きなんだ。でも2日目は簡単ではなく、SS8を前にエンジンが3気筒になってしまった。もしかしたら『ALS(アンチラグシステム)をオンにすれば解消されるかも』と思ったんだけど、全然ダメで。たぶん6kmぐらいは3気筒のまま走ったと思う」と、窮地を振り返ったソルベルグ。
「幸いにも6秒程度を失っただけで済み、本当に驚いたよ。エンジンがまた動き始めたのは本当に幸運で、そこからは全力でプッシュした。今季はもっと多くのラリー、おそらく(次戦の)アゾレスにも参戦するから、ERCのプログラムが続くことにワクワクしているよ」
一方、後続には最終リザルトの“見た目上”大きな変動はなく、2位には2月以来のイベント参戦で「高速ラリーへの順応に重点を置いた」と語るオストベルグが入り、3位にはSaintéloc Junior Teamのルカヤナクが続くトップ3に。
「とても素晴らしいラリーになった。全日程を通じて全開だったし、プッシュしたおかげで良いポイントが獲れた。自分のパフォーマンスには満足している」と語ったルカヤナクは、ERCポイント対象外となるオストベルグの存在により、ERC2位でラリーを終えている。
その後方4番手には、SS5で一時ブリーンが浮上したものの、SS7で左のリヤタイヤにダメージを抱え、そのまま12kmの走行を強いられて僚友リンドホルムの背後6番手にまで下がってしまう。しかし、そのリンドホルムがジャンプスポットからのハードランディングでコースオフを喫し、最終的に1.8秒逆転で4位ピエタリネン以下、5位ブリーン、6位リンドホルムと初日同様のポジションでフィニッシュとなった。
続く2020年ERC第3戦は、大西洋の沖合に浮かぶ伝統のアイランド決戦『アゾレス・ラリー』が9月17〜19日のスケジュールで争われ、当初のカレンダーでは開幕戦に据えられた、緑豊かな田園地帯と火山帯の火口付近をいくナローなワインディング路が舞台の名物イベントは、今回で55度目の開催を迎える。