2022年からはWorldRXでも電動車両への完全移行が見込まれているが、クリストファーソンもこうしてステップアップのクラスから電動化技術を採用することで、若手ドライバーが競争に必要な支援を確保できる可能性が高くなることが重要だと指摘する。
「全世界がますます電気自動車の方向に向かっていて、このマシンは将来のRX1(電動クラス最高峰として創設予定)に対し非常に良い一歩になると思う。新しい電動スーパーカーは現在の(内燃機関)スーパーカーよりも速く、おなじようにRX2eはRX2よりも速いから、ラリークロスを学ぶのに良いステップになるはずだ」
「これは良い代替品になると思うし、環境に優しいイメージが若いドライバーにより多くの予算を呼び込むことを願っている。これは今日のすべてのスポンサーにとって、非常にホットなトピックだからね」
一方、すでに2020年からWorldRX併催イベントとしてプレシーズンを開始している電動ラリークロス最高峰『プロジェクトE』に、ビッグネームであるマーカス・グロンホルムの参戦がアナウンスされた。
現在、GRXタネコWorldRXチームの代表としてWorldRXに2台のヒュンダイi20 RXスーパーカーを投入するグロンホルムは、11月開催のプロジェクトE第3戦でSTARD製のフォード・フィエスタERXをドライブすることが決定。すでに母国のフィンランドでテストを済ませている。
「そう、ここ数日で合計3ラップ“も”ドライブしたから、もうEVのドライビングは完璧にマスターしたさ!」と冗談を放つグロンホルム。
「正直なところ、個人的に電気自動車の最大のファンではなかったが、このマシンをドライブしたとき、再び熱意が表面化した。それほどマシンの振る舞いが良く、印象的だったんだ」と続けるグロンホルム。
「もちろん、家のなかでは“もうレースはしない“と言い続けているから、これは本格的なカムバックじゃないことはハッキリさせておく。でも、ラリークロスがその方向に進んでいるので、私はこれらの電気自動車がどのようなものかを感じることにしたんだ」
すでにプロジェクトEは2戦を終え、スウェーデン・ホーリエスでの開幕戦はケン・ブロック(フォード・フィエスタERX)が、続くラトビア・リガでの第2戦はフランス出身のシリル・レイモンド(シトロエンC3 ERX)が勝利を飾っている。

