予選トップ通過となったローブ/グティエレス組は、まず準決勝に向けインサイド右側のグリッドを選択しターン1で優位に立つ戦略を採ると、サインツ、クリストファーソンと各種目の世界王者同士が横並びでホールショットを狙う豪華なスタートに。
この争いを制したのは58歳のサインツで、砂埃を舞い上げるダカールラリー覇者の背中を、ラリークロス界のスターが追う展開となる。するとバトル中にワイドラインとなった2台の隙を突き、再びローブがクリアな視界を得てアドバンテージを取り戻すと、今度はラリークロス経験者同士のバトルとなり、最初のゲートを通過するまでにクリストファーソンが首位を奪取してみせる。
そのまま視界不良に苦しむローブとサインツを尻目にスパートを掛けたWTCR世界ツーリングカー・カップ経験者は、2番手につける元所属チームのオーナーに対して13秒ものギャップを築いて、チームメイトの女性ドライバーにマシンを引き渡す。
最大出力400kW(約544PS)ながら、1650kgもの自重を持つワンメイク電動SUVの『ODYSSEY 21(オデッセイ21)』を受け取ったテイラーは、スバルWRX STIでオーストラリア国内選手権史上初の女性タイトルウイナーに輝いた腕前を存分に発揮し、ダカール経験者のグティエレスを30秒近く引き離してフィニッシュ。さらに38秒遅れてサンズがゴールし、ロズベルグXレーシングとX44の2チームがファイナル進出を決める結果となった。
その日曜決勝を前に、最後のファイナル出走枠を賭けて争われたクレイジーレースでは、HISPANO SUIZA XITE ENERGY TEAM(イスパノ・スイザ・XITEエナジー・チーム)から参戦するWorldRX世界ラリークロス選手権経験者のオリバー・ベネットと、新進気鋭の美女ラリースト“クリスティーナGZ”ことクリスティーナ・ジャンパオリ・ゾンカ組や、元F1チャンピオンで2018年スーパーGTのGT500クラス王者でもあるジェンソン・バトン率いるJBXEらを下し、北米の名門Andretti United Extreme E(アンドレッティ・ユナイテッド・エクストリームE)の2019年WorldRXチャンピオン、ティミー・ハンセン/ケイティ・マニングス組が勝利を飾り、決勝最後のひと枠を確保した。

