北米から世界へ。新選手権『ナイトロ・ラリークロス』が9月始動。盟主は6台体制で参戦へ
「そのオペレーションと並行して、今回我々は非常に慎重な決断を下している。この(短期決戦スケジュールの)ラリーX・ノルディックを終えたら、2021年はOMSEファクトリー契約ドライバーのヨーロッパでの活動を制限する」
「これにより、初年度NRXの準備に完全に集中できるようになる。9月の開幕に向け万全の体制を整え、GRC、WorldRXに続くハットトリックを達成したい。それは素晴らしい瞬間になるだろうね!」
そのアンドレアスの言葉どおり、シリーズ初年度は9月に始まりユタ州からネバダ州、ミネソタ州、アリゾナ州、フロリダ州と北米を横断する壮大な専用トラックでの5ラウンドが予定されている。
また初年度に続く2022年には前述のとおりグローバル戦に拡大し、ヨーロッパと中東でのイベントをカレンダーに追加し全10戦を計画中。OMSEとQEVが共同開発している画期的な『FC1-X』と呼ばれるフルエレクトリックSUVを中心に、新たな電動クラスが導入される予定となっている。
その前段階的な施策として、OMSEが現在参戦中の2021年ラリーX・ノルディックシリーズでは、第2戦から従来の内燃機関スーパーカーが中心となるオープン4WDクラスで、フルEVマシンと正式に競合できるよう競技規則が改訂。ポイント対象外ながら、STARD製のERX車両やRX1e用プロトタイプも参戦が可能となった。
従来どおりのクラス分けで実施された5月1~2日の開幕戦デンマークは、ジャマイカ出身の伏兵マッコーネルがWolrdRX王者ヨハン・クリストファーソンを下して初優勝をマーク。続くスウェーデンの“聖地”ホーリエスで開催された第2戦では、このラウンドから参戦のニクラス・グロンホルムがGRXのヒュンダイi20で連勝を果たしている。
その同じ週末には、実戦投入間近である『RX2e』のデモンストレーションとして“Superteam Challenge(スーパーチーム・チャレンジ)”も実施され、豪華オールスターがチーム戦でこのワンメイクEV車両をシェア。アンドレアス・バッケルド/ケビン・ハンセン/アントン・マルクランド組と、オリバー・エリクソン/ケビン・ハンセン/マーカス・グロンホルム組に対し優位に立った、クリストファーソン/ティミー・ハンセン/セバスチャン・エリクソン組が勝利する結果となった。
2021年ラリーX・ノルディックシリーズは引き続き2戦が予定され、6月5~6日にはフィンランドの北極圏に近いオウルゾーンで第3戦の2ヒートを、そして8月13〜15日には最終戦としてスウェーデンのアルビカでタイトル決定戦が催される。