ディーラーメカニックコメント「今後のことを考えてワクワクしています」
・担当車両:itzz DL SYMS WRX STI
・岸本悠史
・兵庫スバル自動車株式会社 姫路店 メカニック
今回、兵庫スバル自動車株式会社から参加した岸本は、itzz DL SYMS WRX STIのリヤセクションを主に担当。同じ会社の先輩がニュルブルクリンク24時間レースへのメカニック参加を目指していたことからプロジェクトに興味を持ち、自らも応募したとのこと。
「以前はTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZワンメイクレースにもメカニックとして参加しました。去年からラリーにも応募していて、今回チャンスをいただいたというかたちです。ラリー前の金曜日に車検に向けた整備をしたのですが、これまでは自分がクルマの下に潜るという作業をしたことがなかったので、ボルトやナットの締め付けなど力の掛け方をつかむのに少し時間がかかってしまいました。実際に下に潜ってみると各所に補強が入っていたり、外観は市販車と変わらない見ためながら中身は全然違うなという印象でした」と、最初の印象を振り返っている。
作業を担当したのはリヤまわりの増し締めと点検。そのほか、フロントサスペンションの交換作業の際にはサポートに入ったりしたという。
「驚いたのは、サービス作業の時間以外と、いざ作業に入る瞬間の空気の変わり方というか、スイッチの入り方です。全員が集中しているのが伝わってきて、圧倒されました。クルマはノートラブルだったので、大きな修理などをすることはありませんでしたが、何もなく安全であることが一番だと思います」
厳しい時間制限のなか、素早く確実な作業が求められるラリーメカニックという仕事に触れて、大いに刺激を受けたようだ。
「とにかく学ぶことが多い3日間でした。店舗に戻って、今後どういうふうに仕事を進めていこうかと考えてワクワクしています。まだ自分のなかで整理しきれていないこともたくさんあるのですが、作業時の集中力をもっともっと高めて、ミスのない確実な作業につなげていければと思っています」
「私たちが普段整備しているお客様のクルマの使われ方と、こういうモータースポーツの世界の使われ方は違うと思いますが、『安全にどこかへ行って安全に帰ってくること』は両者に共通する大前提だと思いますので、そういう部分を大切に普段の仕事をしていければと思います」
今後については、「会社の後輩たちにも、ぜひ参加してほしいですね。私自身もこれまでと意識が大きく変わったと思いますし、やりたいことを自分からどんどん言っていかないと変わらないと思うので、しっかりとアピールしていきたいと思います。ニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦の意欲も高まりました。倍率が高くて厳しいですが、諦めずに何度でも挑戦していきたいと思っています」と、力強く語ってくれた。
全日本ラリーの次戦は6月11~13日に開催されるターマックラリー『MONTRE 2021』です。今年から群馬県高崎市を拠点として開催する予定で、20km前後の長いSSを使用する点が特徴です。地元ラリーとも言えるSUBARU勢の奮闘にご声援をよろしくお願いいたします。


