「ドライバーとして進化する方法を模索してきたけれど、僕にラリー2車両をレンタル……または購入する余裕はなかった。僕が採り得るもっとも信頼できる方法は、このラリー2キットだったんだ」と続けるカルティエ。
「機械設計の工学研究を終えたばかりだったので、自分のクルマ、それもユニークでオリジナルなクルマを設計し、製造するというアイデアだ。それにヤリスの選択は僕にとって自然なことだったよ」
地元フランスのミシュランや、サスペンション・ブランドのDONERRE(ドネア)から支援を受け、すでに数日間のテストを経験したカルティエとトヨタ・ヤリス・ラリー2キットだが、オリジナル車両ながらその仕上がりは上々だという。
「クルマのハンドリングはすでにとても快適だよ。全輪駆動のドライブを学ぶのには最適だね。ドネアは僕のトヨタ・ヤリスのために非常に良いショックアブソーバーを開発してくれたんだ。そしてミシュランの性能はクルマの可能性を高めてくれる」とカルティエ。
「運用コストはラリー2より確実に安く抑えられるが、規定による性能差で顕著なのがエンジンの出力面だ。だからこそ、ショックアブソーバーが違いを生むことを願っている」
コドライバーのファビアン・クレーンとともに第77回を数える開幕戦ラリー・ポーランドからERC2への挑戦を開始するカルティエは、2021年シーズンの全8戦に挑む計画だ。
「それは僕たちにとって大きな挑戦だけど、今季の主な目標はERC2のタイトルを獲得すること。非常に野心的だけど、進歩するには高い目標を設定する必要があるからね。夢はプロの世界ラリー選手権ドライバーになることであり、それを実現するために必要な努力を続けていくよ」

