そんな難しいレグ1ながら優位な風向きとなったのがルカヤナクで、SS7で最初のベストタイムを記録すると、初日8つのSSを終えて2番手のアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo/トク・スポーツWRT)に対し29.7秒ものギャップを築いた。
「いい感じだ。午後の戦略には満足しているし、みんなに素晴らしい日をプレゼントできてうれしいよ」と、サービスに戻り安堵の表情を浮かべたルカヤナク。
「チームには本当に迷惑を掛けたし、昨季以来のグラベル・セットアップも満足にできないなか、いいバランスが見つけられたのは素晴らしいことだね」
明けたレグ2に充分なマージンを持って臨んだチャンピオンは、最初のSS9こそ最速で駆け抜けたものの、その後はタイム差をマネジメントするクレバーなドライビングを披露。ミケルセンや復帰組のブリーンにベストを譲る走りに徹し、18.4秒差を持って開幕初戦を制覇してみせた。
「ラリー開始前は映画のように極端なドラマが発生したが、とても速いドライバーたちに対し、厳しいステージでも困難に打ち勝って勝利を挙げることができた。シーズンを優勝で始めることができて最高だよ」と、ERC通算12勝目を手にしたルカヤナク。
2位ミケルセンに続き、最後の3位表彰台には地元勢のミコ・マルチェク(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo/オーレン・チーム)が入っている。
続くERC第2戦は7月1~3日のラリー・リエパヤとなるが、エントラントの実質的参戦費用削減措置として、シリーズはこのポーランドと次戦開催地ラトビアとの間でラリーカーやトランスポーター、トレーラー、サポート車両を保管するための安全な駐車施設を無料開放する“ダブルヘッダー・コンセプト”を導入している。


