しかし、前述の強雨がタナクの追い上げに水を差した。彼のマシンはスクリーンヒーターが機能せず、走行中にフロントウインドウが曇ってしまうトラブルに悩まされる。そのため、タナクは度々クルマを止め、ウインドウの拭き取りと道順の確認を要することになった。
このトラブルによって2分ものタイムを失ったタナクは総合4番手にドロップ。この日、勝田を追うとともに表彰台圏内を争っていたセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)に順位を明け渡している。
そのオジエは午前中のループでふたつのステージベストを記録するなど速さをみせ、午後のSS11でもステージ優勝を飾る。雨中のSS13では遅れをとるも、上位陣の中ではタイムロスを最小限とし、ヌービルより10秒早いタイムでステージ5番手に。これにタナクの後退が合わさったことで、7冠王者が最終日を前に総合3番手に順位を上げることとなった。2番手の順位を守った勝田とのタイム差は18.1秒だ。
Mスポーツ・フォードのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)とアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)は総合5番手と同6番手の順位をキープした。これに前日最後のステージ(SS7)でスタックを喫しデイリタイアに追い込まれたカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続き総合7番手に。
この他のデイリタイア組はロレンツォ・ベルテッリ(フォード・フィエスタWRC)が総合11番手、エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が総合12番手、ソルドは総合13番手とそれぞれ順位を上げている。
過酷なサファリ・ラリーの最終日となるデイ4は、ナイバシャ湖の周辺に設定された5本のステージを、日中のサービスを挟むことなく走破していくスケジュール。最終SS18“ヘルズゲート2”は、ステージトップ5タイムを記録したドライバーとマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。
5本のSSの合計距離は今大会最短の53.49km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は238.57kmとなる。






