──オジエ選手とは今回もポルトガルの表彰台争いのときと同じように順位を競った。
勝田:楽しかったですし、オジエ選手も喜んでくれていました。今回は同じステージでベストタイムを分け合ったり、最終日は総合でも同タイムで並んだりなど、ポルトガルでのこともあり、『いろいろ縁があるのかもね』とオジエ選手と話していました。
──初めてのサファリ・ラリー出場でしたが、どのようなラリーでしたか?
勝田:かなりハイスピードな道の途中にクルマが壊れてしまうような、ものすごくラフなセクションもあり、少し気をつけて走ると、ひとつのコーナーだけで大きく遅れてしまう。そういうところが何カ所もあるところが難しいラリーでした。
そのコーナーの後に500mくらいの直線があり、たとえばひとつのコーナーで10km/h落とすと、それが次の直線でそれが大きく響き、1カ所で簡単に5秒くらい遅れてしまう。だからみんな、スピードを落としたくても落とせず、サスペンションが壊れたりしたのだと思います。
──そのあたり、勝田選手はリスクマネジメントがうまくできていたのも2位につながったのだと思いますが、危うい場面はなかったのですか?
勝田:デイ3最後のSSの途中で突然大雨が降ってきたんですが、ラリーカーを運転していて、あんなに恐ろしい気持ちになったことは初めてというくらい、とんでもないコンディションでした。ワイパーを使っても前が何も見えない。
180km/hくらいで水たまりに突っ込み、どう動くか分からない状態で対処しなくてはならず、そういう状況でクルマにダメージを負い、タイムをロスしてしまいました。最後まで走り切れて良かったです。
──具体的にはどのような?
勝田:リヤのアームが壊れてキャンバーが大きくついてしまい、フラフラでした。最初は路面コンディションが悪くてそうなっているのかと思いましたが、コンディションが良くなってからも同じ感じだったので、これはマズいなと。何かに当たったのではなく、おそらく路面のバンプの衝撃だと思います。
──路面が荒れているのに、スピードが高いのがサファリの難しさですね。
勝田:僕の予想ですけど、昔は距離が長かったし、スピードを落とすラリーだったと思います。でも、いまはスピードラリーなので、とにかくタイムを出さないといけない。でも、生き残らなければならない。そのバランスの見つけ方が難しかったです。手応えもすごく感じはしましたが、自分が成長しなければならない部分も多く見えたラリーでした。



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2位表彰台という結果を素直に喜べないというのは、勝田が大きく成長した証。彼が得意とするエストニア、そしてフィンランドでの戦いもおおいに期待できそうだ。
※このインタビューは本誌『オートスポーツ』No.1556(2021年7月2日発売号)からの転載です。
