投稿日: 2021.07.09 06:50
更新日: 2021.12.01 20:24
更新日: 2021.12.01 20:24
逆境に立ち向かう“真のラリー屋”素性の良いマシンで、目指すは表彰台【WRC前半戦総括:Mスポーツ編】
Text:Keisuke Koga
Mスポーツのマシン、フォード・フィエスタWRCの素性は非常に良い。2017、2018年には(現トヨタの)セバスチャン・オジエがチャンピオンに輝き、2017年にはマニュファクチャラーズタイトルも獲得した。その当時からすでに予算不足で、新しいパーツのテストをなかなかできないでいたが、それでもオジエが乗れば勝てるマシンだったのだ。
現在はライバルの開発が進みさらに厳しい状況にあるが、相変わらず素性は良く、経験の浅いフルモーがベストタイムを刻める速さを備えている。また、今年のクロアチア(第3戦)では新エンジンが投じられるなど、地道に進化は続いている。
ドライバーに関しては、スポンサー持ち込みでフル参戦のグリーンスミスは正直なところ並クラスではあるが、経験を積み速さも確実性も増している。一方、フルモーにはトップドライバーとしての才能の片鱗が感じられる。彼が時々刻む好タイムはWRカールーキーとは思えぬもので、“オジエの後継者”という見立ても大袈裟ではなく思えてきた。
ただ、彼と2台目のシートをシェアするテーム・スニネンのミスの多さは、チームにとって想定外であろうし、頭が痛い問題に違いない。スニネンは今年、コドライバーが現在のミッコ・マルックラに替わって以降、明らかにパフォーマンスが落ちている。かくなる上は、残る全戦をフルモーに託したほうが、今後を考えても得られるものはきっと多いはずだ。
■採点……【40点】
※セミワークスチームとしては80点以上
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