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投稿日: 2021.08.03 13:10
更新日: 2021.08.03 13:14

南米で開催予定だった後半戦をキャンセル。新たに伊サルディニアで代替戦実施へ/Extreme E


ラリー/WRC | 南米で開催予定だった後半戦をキャンセル。新たに伊サルディニアで代替戦実施へ/Extreme E

「しかし現在、この危機は遠隔地にのみ影響する問題ではない。気温の上昇、熱波、山火事など、現在サルディニア自体で猛威を振るっている壊滅的な最新事例のいくつかで、その猛威が人々の生活圏に迫っていることが示された。それは北米やここヨーロッパでますます顕著になってきているんだ」と続けたアガグCEO。

「今回の合意に際して、サルディニアのクリスチャン・ソリナス知事とイタリア自動車クラブ(ACI)のサポートをうれしく思う。我々として最初のヨーロッパ圏イベントを計画することになったんだからね」

 シリーズで実施している気候変動問題に対する科学的検証のアプローチを取り仕切るExtreme E科学委員会からは、その創設メンバーであるオックスフォード大学の気候科学教授リチャード・ワシントンも、アガグの言葉を補強するように説明を加える。

「気温の上昇と山火事は、今やすべての大陸で脅威となっている。ここ数年でアマゾン、オーストラリア、シベリア、カナダ、地中海地域で荒廃が見られた。すでに気候変動が閾(いき)値を超えているため、山火事はより広範囲で、より激しく、より損害を与え、より長く続く傾向にある。山火事を予測する新しい方法とそれに適応する新しい方法が緊急に必要とされている」とワシントン教授。

 一方、この“低炭素社会啓蒙シリーズ”を迎え入れることとなったACI会長のアンジェロ・スティッチ・ダミアーニは、長年にわたりモータースポーツのトレンドと発展を予測してきたACIにとって「こうした新たなイニシアチブこそモータースポーツの『エンジン』である」と述べた。

「将来を見据え、技術の進化とスポーツのスペクタクルの双方の観点から、重要な地平線を持つ新しいイニシアチブを設計、またはサポートする能力。これこそが創業以来、つねにイタリア自動車クラブのDNAとして受け継がれてきた精神だ」と語ったダミアーニ会長。

「この広い文脈において、ACI、サルディニア議会や地域はアレハンドロ・アガグ代表に協力し、イベントを主催するための合意に達した。FIA国際自動車連盟によって承認され次第、この電動オフロード選手権は2021年10月23日から24日にかけて、ここサルディニアで開催される。いつものように、ACIはこの誕生に基本的な役割を果たし、成功に向けたサポートを続けていくつもりだ」

シリーズに参戦するメンバーたちも、開催各国で砂漠化や海岸侵食、プラスチック汚染の問題について現地住民らとのワークショップに参加する
次戦は8月28日~29日にグリーンランド・カンゲルルススアークで争われる第3戦、北極圏”Arctic X Prix”の開催が予定されている


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