勝田はクラッシュの状況を次のように説明した。

「いくつかバンプがあったのですが、クルマが着地して下に押しつけられた状態になった時、コーナーを曲がりきれず側溝に突っ込んでしまいました。大きなクラッシュだったにもかかわらず、ふたりとも無事だったのは幸いでした」

「しかしながら、ラリーにおいてそのようなミスは絶対に許されません。チームには本当に申し訳なく思っています。とても残念ですが、今回の経験で勉強になりましたし、もっと強くなって戻って来るつもりです」

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムのインストラクターを務めるユホ・ハンニネンは、勝田が自信を持てずにいたと述べた。

「イープルは他のラリーに比べて非常に難しくて独特なので、ラリーをスタートした時にタカはあまり自信を持てていなかった。私は彼のアプローチを尊重し、あまり早い段階からプッシュせず、スピードを上げるまでに少し時間を要することを受け入れていた」

「しかし、このような道では、ほんの小さなミスが大きなアクシデントにつながる可能性があり、残念ながらそれが実際に起こってしまったんだ」

「彼は少しラインを外しただけだったが、限界まで攻めていなくても、こういったことは起こり得る。これもまた学習の一部だし、タカは今回良い経験を積むことができたと思う」

「道幅が狭いターマックではあまり自信を持てなかったようだが次回、同じようなステージを走る時には、たとえそれがイープルでなかったとしても、今回の経験を生かしてもう少し楽に走ることができるだろう」

 依然としてドライバー選手権でランキング6位につけている勝田が挑むWRCの次戦第9戦は、ギリシャで行われる『アクロポリス・ラリー』だ。同国中部の都市ラミアを中心に行われるこのグラベル(未舗装路)ラリーは、非常に荒れたステージが多い、ラフグラベルラリーとして知られ、勝田にとってはまた新たなチャレンジとなる。開催日は9月9~12日だ。

チームスタッフと話をする勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第8戦ベルギー
チームスタッフと話をする勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第8戦ベルギー
WRC第8戦ベルギーで勝田貴元のコドライバーを務めたキートン・ウイリアムズ
WRC第8戦ベルギーで勝田貴元のコドライバーを務めたキートン・ウイリアムズ
勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第8戦イープル・ラリー・ベルギー
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