そんなテイラーは、過酷な地球環境を舞台にその保全と電動モビリティの可能性追求、そして男女平等の理念を標榜するEVオフロード選手権にも参戦。元F1王者ニコ・ロズベルグが率いるロズベルグXレーシングとの契約で、WorldRX世界ラリー選手権3冠のヨハン・クリストファーソンとタッグを組んでいる。

 その新シリーズでは、サウジアラビアのアルウラ砂漠と、西アフリカ・セネガルの海岸線イベントでともに勝利を飾り、開幕2連勝という華々しい活躍を演じており、続く8月28~29日にグリーンランド・カンゲルルススアークで争われる第3戦北極圏“Arctic X Prix”にも参戦し、初年度シーズン3連勝の偉業に挑むこととなる。

 現在はスーツケースひとつでイギリスを拠点に活動中だという彼女は、今がその人生とキャリアにおいて「一番、クレイジーな時間」だと語っているが、競技に参加してドライブすることと、ピットでのリポートはどちらが“ストレスフル”かと尋ねられた際、開口一番で「現状はレポートの方」だと回答した。

「どちらもかなりストレスがたまり、プレッシャーも大きいけれど、私の最初のピットレーンレポートの経験は、レースよりもストレスが多かったと思う」とテイラー。

「週末が終わったときには、まるでWRCの1戦を戦い抜いたみたいにヘトヘトに疲れ切っていた(笑)。現時点ではまだ新しい挑戦だし、間違いなくもう少しストレスがたまるでしょうけれど、回を重ねるごとに最適な方法を探しているところ」

「ドライビングもレポートも、どちらもプレッシャーと興奮がもたらされる仕事だけど、私自身はその喧騒や多くの話題に触れる状況を愛している。レポートを担当する際にこれほど大きな話題になるとは思わなかったから少し驚いたけれど、絶対に経験してみるべき仕事ね」

 実は2017年に当時のスーパー2カテゴリー用のテストを経験し、ブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)のマコーレー・ジョーンズ車のシートに座っているテイラーは、そのステアリングを握った感触からさらなる希望を抱いている。

「素晴らしい日だった。そのドライビング感覚は一瞬で私を虜にした」と続けるテイラー。「残念ながら、当時はそこから参戦に必要な資金を集めることができずチャンスを失ってしまったけれど、RSCでの楽しいキャリアに向け是非、また挑戦してみたいと思っている」

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