セミファイナル1では、ステファン・サラザン(ヴェローチェ・レーシング)が現役F1王者ルイス・ハミルトン創設のX44から参戦する、9度のWRC世界ラリー選手権王者セバスチャン・ローブとの“フランス人対決”を繰り広げ、危険なロック・ガーデンを通過する際にライバルとは別のラインを選択し、先頭2台を一気に抜き去る見せ場を作ったものの、これが仇となりステアリングアームの破損でストップ。

 セミファイナル2でもマティアス・エクストローム(アプト・クプラXE)操る『e-CUPRA ABT XE1』のドライブシャフトが破損し、RXRで連勝中のクリストファーソンがまさかのトラックマーカー接触で10秒加算ペナルティを受けるなど波乱含みに。

 そして今回からファイナルが5台同時出走となったことを受け、最後の1枠を賭けた『敗者復活』の要素も加えられた“クレイジー・レース”のヒートでは、こちらも元F1王者のジェンソン・バトン率いるJBXEが大逆転での決勝進出権を獲得。

 そのJBXEには前ヒートでのドライバー交代中にタイヤ交換作業違反で30秒加算のペナルティが確定していたものの、SEGI TV チップ・ガナッシ・レーシングのサラ・プライスが1周目に姿を消したことで、ミカエラ-アーリン・コチュリンスキーが首位でスイッチゾーンに飛び込んでくる。

 STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権唯一の女性ウイナーからマシンを引き継ぎ、30秒の待機時間を消化してコースに飛び出していった2021年WorldRX開幕勝者のケビン・ハンセンは、首位走行中のXITEエナジー・レーシング、オリバー・ベネットを追走する形になるも、そのベネットもジャンプの着地でマシンを壊し万事休す。

 決勝はRXR、X44の常連組とアンドレッティ・ユナイテッド、アクシオナ・サインツXEチーム、そして敗者復活JBXEの5チームで争われることとなった。

 日曜最後のファイナルで好スタートを切ったRXRのモリー・テイラーとX44のセバスチャン・ローブが、ここまでの2戦同様に“F1王者チーム対決”を形成するかと思われたが、電動SUVのオデッセイ21に一定時間のエクストラパワーを供給する“ハイパードライブ”の機能を活用したアンドレッティのマニングスが、その2台の機先を制するかのように序盤のリードを奪っていく。

 しかしコース中盤に差し掛かると、自力に勝るWRC9冠のレジェンドが主導権を握り始め、パックになっていた2番手マニングスと3番手テイラーに対し、約19秒のリードを築いてスイッチゾーンへと戻ってくる。

週末の区間最速ドライバーにボーナス5点が加算される“Super Sector”では、勝者ティミー・ハンセンが順当にその権利を手にした
週末の区間最速ドライバーにボーナス5点が加算される“Super Sector”では、勝者ティミー・ハンセンが順当にその権利を手にした
セミファイナル1から開幕2戦とは様子が違うレース運びとなったRXRのヨハン・クリストファーソン
セミファイナル1から開幕2戦とは様子が違うレース運びとなったRXRのヨハン・クリストファーソン
ファイナル進出を決めたACCIONA | Sainz XE Team(アクシオナ・サインツXEチーム)。慎重に“Rock Garden”を行く
ファイナル進出を決めたACCIONA | Sainz XE Team(アクシオナ・サインツXEチーム)。慎重に“Rock Garden”を行く

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