このためボディシェイプを変化させることなく前後デザインを大幅に変更したクプラは、ブランドのデザインアイコンにもなっているエッジの効いた複数の三角形を、それぞれLEDテクノロジーを用いた灯火類に採用し、フレームには3Dプリンターによる造形が用いられた。

 その製造時間はわずか6時間と効率的な進化を果たし、事故によるものであれ、ライトの位置変更によるものであれ、チームは面倒で高価な工具を必要とせず「非常に迅速にコンポーネント変更に対応可能になる」とされている。

 そのボディワークにも「地球環境保全とその啓蒙」を掲げるシリーズのビジョンに対応し、カーボンを用いる炭素繊維素材を置換して亜麻科の植物から抽出された繊維により成形。この繊維素材を用いた材料は従来のカーボンと同じ方法で加工できることから、エンジニアが必要とする形状を再現することも可能になり、同時に車体製造上の環境負荷も軽減するという。

「このクルマはクプラブランドのDNAと将来の方向性を示唆するデザインを備えている。次世代への進化形としての役目もあるんだ」と語ったのは、クプラ・レーシングの技術開発責任者であるシャビ・セラ。

「我々のTCRマシン同様に3Dプリンターを多用したボディワークは、要素の復元を可能な限り効率化するとともに、ボディ全体に亜麻繊維を使用して持続可能性をさらに高めているんだ」

 性能面では総電力量54kWhのバッテリーをシート後方に搭載し、1780kgもの車両重量を抱えながら0-100km/h加速で約4秒以下のパフォーマンスを実現する。この点で『オデッセイ21』からの変更点はないものの、クプラ・レーシングはこのIAAにて「未来の都市型電気自動車のプロポーションをレーシングカーに変換した」というスタディモデル『CUPRA UrbanRebel Concept(クプラ・アーバンレーベル・コンセプト)』も同時発表。

 こちらも2025年投入予定の電気自動車を示唆するスタディながら、全長4080mm、全幅1795mm、全高1444mmというBセグメント級のボディサイズに、ピーク時最大320kW(約435PS)を発生するEVパワートレインを搭載し、0-100km/h加速3.2秒のパフォーマンスが与えられている。

最大出力400kW(約544PS)の電動パワートレインを搭載する現行の『e-CUPRA ABT XE1』に架装し、2022年シーズンでの実戦投入が計画されている
同時発表されたスタディモデル『CUPRA UrbanRebel Concept(クプラ・アーバンレーベル・コンセプト)』
ピーク時最大320kW(約435PS)を発生するEVパワートレインを搭載し、0-100km/h加速3.2秒のパフォーマンスが与えられている

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