更新日: 2021.10.05 17:17
新コンビで臨んだ地元戦、勝田貴元はパワーステージで2ポイント獲得「さらに学びを深めたい」/WRC
「土曜日のステージではもう少しプッシュしようとしたのですが、出走順が早かったため簡単にはいきませんでした」と勝田。
「SS8では、途中の区間タイムは良かったのですが、フィニッシュ前の高速コーナーが予想以上に滑りやすく、コースから少しはみ出て岩に当たってしまい、ストップせざるを得ませんでした。日曜日に再スタートできるように、クルマを直してくれたチームに感謝します」
競技3日目に再出走を果たした勝田は、出走順がトップとなった影響で路面が非常に滑りやすい状態にあったが、それでもパワーステージを含む2本のステージで4番手タイムを刻み、ボーナスの選手権ポイント2点を獲得。最終日に本来の速さを示し、ポジティブなかたちでラリーを締めくくっている。
「日曜日は出走順がトップでしたが、タイムは決して悪くありませんでした」とデイ3を振りかえった勝田。
「全体的には残念な週末でしたが、これがモータースポーツですし、将来に向けてさらに学びを深めたいと思います」
プログラムのインストラクターを務めるユホ・ハンニネンは、「(勝田)貴元はこのラリーに大きな期待を寄せていたが、新しいコドライバーと初めて仕事をするという意味で、フィンランドは理想的な環境とはいえなかった」と述べた。
また、同氏は「(勝田が)ここ最近のラリーでヤリスWRCに乗る機会が少なかったこともあり、走りのフィーリングを少し失っていたようにも思う」と続けた。
「しかし、金曜日にスピンをした後は、徐々に自信を取り戻していったし、すべての状況を考えるとなかなかのタイムが出ていたように感じる」
「土曜日に入るとスピードが上がり始め、パイヤラのステージの区間タイムはかなり良く、好タイムを期待できそうだった。だが、残念ながらジャンプの着地でコースからはみ出し、大きな岩に当たってデイリタイアを余儀なくされた」
「それでも、日曜日の再出走を強く望み、もっと走りたい、アーロン(・ジョンストン)との経験を多く積みたいと貴元が思えたのはいいことだ。実際、最終日のタイムは良かったし、何よりもアーロンとの仕事がうまくいったことは大きな収穫だった」
今戦終了後、ポイントランキングの順位をひとつ下げた勝田。彼が挑むWRCの次戦第11戦スペインは10月14~17日、スペインのサロウを中心に開催される。ラリー・フィンランドと同じく2年ぶりに行なわれる『ラリー・スペイン』はターマック(舗装路)で争われるイベントであり、サーキットレース出身の勝田にとっては実力を発揮しやすいラリーといえる。
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