明けた日曜はオープニングのSS8で総合2番手にいた地元ヘルツェグが大クラッシュを喫し、いきなり戦列を去る波乱で幕を開けると、総合首位のグリアシンも「その事故現場でステージサイドにいたマーシャルの指示に従わず、スローダウンの要請を無視した」として15分ものタイム加算ペナルティを課され22位に降格。
代わって首位に立ったのは、土曜午前には側溝に足元をすくわれ高速スピンを喫しながらも、SS6とSS7の連続トップタイムで総合3番手までカムバックしていたオストベルグで、日曜にもパンクを喫しながらSS10~11、そして最後のSS13~14も連続ベストをマークし、思わぬかたちで自身ERC初優勝を飾ることとなった。
「僕らには終始スピードがあったし、いくつかのステージに勝つこともできたが、それと同じだけ問題も発生した。すべては僕のミスによるもので、取り戻すのは本当に大変だったよ」とオストベルグ。
そのオストベルグと同郷のWRC世界ラリー選手権通算3勝のミケルセンは、エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ/ラリーチーム・スペイン)やシモン・カンペデッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)に次ぐ6位でフィニッシュ。その結果、ノルウェー出身者として初のERCチャンピオンに輝いた。
「もちろん、シーズン前の目標はERCチャンピオンシップを勝ち獲ることだったから、とてもうれしいよ」と喜びを語った2021年FIA WRC2王者でもあるミケルセン。
「すべてのドライバーにとって非常にハイレベルで厳しい選手権であり、簡単でないことは理解していたが、僕らは良いシーズンを過ごし、非常にスマートにドライブし、必要なときにポイントを獲得することができた」と勝因を明かすミケルセン。
「世界選手権以外で手にすることができる最高峰のタイトルであり、このチャンピオンは間違いなく僕のキャリア・ハイライトのひとつだ。知る限り、同じ年にこのふたつのタイトルを獲得したドライバーはいないと思うよ」
「シーズン前は、WRC2よりこのERCでタイトルを獲ることの方が難しいだろうと考えていた。実際、ERCのペースとスピードは本当に高く、勝利のために戦いたいのなら本当に限界までプッシュする必要があったからね。長い間これらのラリーやシリーズを戦って来た面々と勝負するのは本当にタフだったね」
「2021年はふたつのビッグタイトルを獲得して、また将来的にWRCへ挑戦するチャンスを得ることが目標だった。簡単なことではないけれど、まずはダブルタイトルの目標を達成できた。とても助けになるだろうし、来年がどうなるか楽しみにしているよ」


