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投稿日: 2021.10.28 07:10
更新日: 2021.10.27 23:27

チップ・ガナッシのハマーは初優勝目前に散る。ロズベルグ率いるRXRが3勝目/エクストリームE第4戦


ラリー/WRC | チップ・ガナッシのハマーは初優勝目前に散る。ロズベルグ率いるRXRが3勝目/エクストリームE第4戦

 現地日曜の午後16時開始となったファイナルは、直前の大雨によりシリーズ史上初のフルウエット・コンディションとなるなか、アンドレッティ・ユナイテッドがメカニックを派遣して修復作業に協力したX44のマシンも、無事スタートラインに並ぶことができた。

 セミファイナルでも明暗を分けるセクションとなったレーンに向け、電動車両でまさかのストールを喫して出遅れたクラインシュミットを除く4台がダッシュすると、まずはX44が先頭で最初のコーナーにたどり着く。しかし、ここで別ルートを選択したルデュックのハマーがX44のローブを出し抜き、トップへと躍り出る。

 STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権唯一の女性ウイナーで、今季はドライバーズランキング2位を獲得したミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(JBXE)が中盤スピンを喫して遅れると、スロースターターとなった“砂漠の女王”ことクラインシュミットが反撃を開始し、RXRの元オーストラリア・ラリー選手権王者テイラーと3番手争いを繰り広げる。

 すると前を行くローブのマシンに異変が生じ、スローパンクチャーによりペースダウン。テイラーとクラインシュミットの女性ラリースト同士のバトルは2番手争いへと変化し、その後にX44のマシンはステアリングを破損してリタイアを強いられてしまう。

 その間、印象的なリードを構築したルデュックが大量のマージンを維持したままドライバーミックスゾーンに飛び込むと、ステアリングを引き継いだプライスは快調にハマーを飛ばしていく。

 シーズン前半戦はトラブルやアクシデントなど不運続きだったチップ・ガナッシに、ようやく初の栄冠が舞い込むか……と思われたそのとき。岩にヒットした衝撃で電動パワートレーンのターミナル部にダメージを受けたハマーは、敢えなく優勝戦線から脱落。

 これにより首位を引き継いだRXRのクリストファーソンが盤石のシリーズ3勝目を持ち帰り、左側のドアを失う状況でも快走を見せたマティアス・エクストロームが2位に続いて、アプト・クプラXEに待望の初表彰台をもたらした。

「僕がマシンを受け取ったときは2番手で、かなり孤立した状態だった。もちろん背後にはマティアス(・エクストローム)がいたけど、オーバーテイクは難しいだろうと知っていたんだ」と語った勝者クリストファーソン。

「その直後に、前を行くサラ(・プライス)のステアリングが壊れたと聞いた。だから慎重にも慎重を期してマシンをフィニッシュさせることに集中した。今回もリスク管理で絶大な仕事を達成したモリー(・テイラー)の働きに尽きる。こうして勝利を持ち帰ることができて最高の気分だよ」

 これで初年度“シーズン1”の全5戦中4戦を終えたエクストリームEは、直近の10月初旬にもアナウンスされた新たなフィナーレの地、イギリス・ドーセット周辺の陸軍基地施設をベースとした『the Jurassic X Prix(ジュラシックXプリ)』で、12月18~19日に最終戦を迎えることになる。

「路面はかなり滑りやすく、最初は判断が難しかった」と語るRXRのモリー・テイラーだが、ファイナルでも見事にバトンをつないだ
ミカエラ-アーリン・コチュリンスキーとケビン・ハンセンのJBXEは、ライバル勢の脱落もあり連続の3位表彰台を獲得
開幕からの連勝を含め、4戦3勝とシリーズ争いを優位に進めるヨハン・クリストファーソン/モリー・テイラー組


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