その言葉どおり、土曜のプラクティスから速さを見せたパストラーナは、自身が「1コーナーに向けてはインサイドのスタート位置を死守することがカギになる」と語ったとおり、1対1のバトル・ラウンド1でもポールポジションを確保すると、こちらも電動オフロード選手権、エクストリームEに参戦中のオリバー・ベネット(ミニ・クーパーSX1 RXスーパーカー/Xiteエナジー・レーシング)を、続くバトル・ラウンド2と3ではケビン・ハンセン(プジョー208WRXスーパーカー/レッドブル・ハンセンNRXチーム)と兄のティミーを立て続けに撃破する快進撃を披露する。
勢いそのまま、セミファイナル1でもケビン・エリクソン(ホンダ・シビック・クーペ・タイプR/オルスバーグMSE)やロビン・ラーソン(アウディS1 RXクワトロ/モンスターエナジー・RXカルテル)ら実力派を下したパストラーナが、週末最後のファイナルでも追いすがるティミーのプジョーを約2秒差で抑え切ってみせた。
「ティミーはこの週末を通じて、本当に素晴らしいスタートを決め続けていた。でも、僕のスバルも彼の前に立つのに充分なトラクションを発揮してくれたよ」と勝者パストラーナ。
一方、注目のブッシュはRXスーパーカーのテスト経験もない“ぶっつけ本番”でイベントに臨んだにも関わらず、プラクティスとデュエルのヒートで0-60マイル(約96km/h)加速1.9秒、最大加速1.5Gを記録する600PSのラリークロス車両をモノにすると、いきなりファイナル進出を決めファンを沸かせる走りを披露。
隣のグリッドに並んでいたタナー・ファウスト(#34/アウディS1 RXクワトロ/ドレイヤー・ラインボールド・レーシング)らとのバトルを制し、第2戦ウイナーのスピードに次ぐ4位フィニッシュという好成績を収めた。
「それは本当に、とてもとても楽しかった。でもフィニッシュ後にみんなから『4位おめでとう』とか『さすがだ!』なんて言われると、正直『クソっ、あと少しで3位表彰台だったのに』って気持ちが込み上げてきたよ」と笑顔を見せたブッシュ。
「確かに、ここで戦うにはまだまだ長い道のりがありそうだ。まだ最前線でドライブすることはできていないし、今後はもう少しこうした機会を作って楽しめたらと思うよ」
また、スーパーカーへのステップアップ・カテゴリーとして機能するワンメイクのNRXクラスは、インディカーとNASCARのXfinityシリーズに参戦するセイジ・カラム(ドレイヤー・ラインボールド・レーシング)が連勝を飾っている。


