オジエが8度目の王座獲得。トヨタの27年ぶり3冠達成に「皆を本当に誇りに思う」とラトバラ代表/WRC
エバンスが2位でフィニッシュしたことから、トヨタは今季5回目となるワン・ツー・フィニッシュを飾り、同時に2018年以来となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。
今回のモンツァでは、チームのマニュファクチャラーズタイトル獲得をバックアップする役目に徹したロバンペラは、任務を完璧にこなし総合9位でラリーを完走した。今シーズン、彼はエストニアで初優勝し、WRC史上最年少記録を更新。その2戦後のギリシャ(アクロポリス)でふたたびウイナーとなり、シーズン2勝を記録している。
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、トヨタ・ヤリスWRCでラリー・モンツァに出場した勝田貴元は、SS14で4番手タイム記録するも、続くSS15でバリアにヒットしサスペンションを破損してしまう。リタイアの可能性もあったなか、メカニックたちは15分間という短いサービスでクルマの修復を終わらせ、勝田をパワーステージに送り込む。その努力に応えるかのように、勝田は最終パワーステージで2番手タイムをマーク。現行WRカーのラストイベントを総合7位でフィニッシュした。
「マニュファクチャラーズタイトル、ドライバーズタイトル、コドライバーズタイトルをすべて同時に獲得するために、我々は非常に努力してきました。チームには本当に感謝している」と語るのは、今シーズンからTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表を務めているヤリ-マティ・ラトバラ。
「我々のチームには、素晴らしい人材と、WRCで最高のドライバーたちが揃っている。皆を本当に誇りに思う。セブ(セバスチャン・オジエ)とジュリアン(・イングラシア)が成し遂げたことは、信じられないくらい素晴らしいものだ」
「また、エルフィン(・エバンス)とスコット(・マーティン)も、素晴らしい走りで戦いを盛り上げてくれたし、カッレ(・ロバンペラ)とヨンネ(・ハルットゥネン)のサポートにも心から感謝したい」
「2018年に私はドライバーとしてマニュファクチャラーズタイトルを獲得したが、今回、チーム代表としてふたたびそれを達成できたのは、特別な出来事だ。また、ヤリスWRCでこのWRカーの時代を終えることになり、今シーズン9勝できたことも素晴らしいことだと思っている」
2017年から5シーズンに渡りWRCを戦ったヤリスWRCは通算26勝をマークした。新しい時代の“ラリー1”規定が導入される2022年シーズンからは、ハイブリッドシステムを搭載する次世代のラリーマシン『トヨタGRヤリスWRCラリー1』が、TOYOTA GAZOO Racing WRTの新たにワークスカーとして、世界最高峰シリーズを戦っていくことになる。