更新日: 2021.12.01 19:08
不振の前半戦から一転、ヨハン・クリストファーソンが同点大逆転での4冠達成/WorldRX最終戦
さらにセミファイナル1で順当に勝利し、最終決戦に向けポールポジションを確定させた3冠王者に対し、2019年チャンピオンは重圧からかセミファイナル2でふたたびグロンホルムをハーフスピンに陥れ、この接触で7秒のタイムペナルティを加算。今季最後のファイナルを前に1点差と追い込まれたばかりか、5番グリッドからの勝負を強いられる厳しい状況となった。
迎えた2021年最終ヒートは、スタートからハンセン兄弟の弟ケビンが飛び出すと、クリストファーソンとティミーの両名がオープニングからジョーカーラップへ。続く2周目にケビンも飛び込み、グロンホルムがトラック上のリードポジションを引き継いでいく。
ファイナルラップでも首位を守ったグロンホルムに続き、2番手で懸命に兄のアシストを試みたケビンだったが、4番手を走る兄にアウディ攻略の決定打はなく、3位チェッカーのクリストファーソンが217点とし、ティミーとまったく同ポイントで並ぶことに。
第2戦、第3戦とシーズン2勝のティミーに対し、第5戦、第6戦、そして昨日の第8戦と後半戦だけで3勝をマークしたクリストファーソンが、逆転タイトルに充分な位置関係でフィニッシュし、ドラマのような筋書きでのシリーズ4冠を決めてみせた。
「なんて週末だ! 今はただ、本当に信じられない気持ちで一杯だ。17点差でこの週末に挑み、1年を通じて彼と同一のポイントになるなんてね。トラブルやアクシデント続きで厳しいスタートを切っただけに、新しいチーム、新しいマシンでふたたび王座を獲得できるなんて夢のようだよ」と、喜びを語ったクリストファーソン。
一方で敗れたティミーも、心底ダメージの大きい敗戦により失望の淵に沈んでもおかしくない状況ながら、勝負を終え「今なら素晴らしい年を正当な誇りを持って振り返ることができる」と語り、ラリークロス史上最高のドライバーのひとりとしての地位をさらに確固たるものにした。
「最後まで自分の持てる力をすべて注ぎ込んだが、週末に課されたペナルティの大きさと数には少し不公平を感じないではない。それにより、仕事を成し遂げる機会が奪われたと感じるからね。正直、判断の結果には同意しかねる」と本心も吐露したティミー。
「でも、ヨハンはドイツで素晴らしい仕事をした。それだけは間違いない。それは彼による素晴らしいスポーツの成果で、できることとすべきことをすべてやって、お互いの獲得ポイントは同点。それが今季のストーリーを真に説明している。まさに“地獄の物語”だが、このスポーツにとっては素晴らしい出来事。来シーズンを楽しみにしている」
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