更新日: 2022.01.20 00:10
アウディ ダカールラリー2022 最終ラリーレポート
カルロス・サインツは、そのサポートの直接的な恩恵を受けました。第4ステージから第6ステージの間で何度も行ったショックアブソーバーの交換作業もそれに含まれます。同郷のスペイン人、ルーカス・クルスがナビゲーションを担当したサインツの車両は、すでに第3ステージでアウディの歴史に新たな記録を残しました。
サインツは、アル・アルタウィヤからアル・カイスマに至る過酷なルートで、アウディRS Q-tronにステージ初勝利をもたらしました。そして、8日後にも再度ステージ優勝を果たします。サインツは、次のようにコメントしています。
「とくにレース後半では、典型的なダカールラリーのルートが続きました。オフロード、大小の砂丘、そして方向感覚を失わせる風景の組み合わせは、きわめて多様で要求の厳しいものでした。私たちはエンジニアの協力により、ラリー期間中も車両セットアップの改善を続けました。すべてのスタッフに本当に感謝しています」
世界ラリー選手権を2度、ダカールラリーを3度制覇した経験を持つサインツもまた、各ステージで好成績を残したものの、総合で上位に入賞することはできませんでした。レース2日目において、ロードブックの不正確なルート記述により、多くのナビゲーションエラーが発生。カルロス・サインツ/ルーカス・クルス組は2時間22分のタイムロスにより、最終的に12位でフィニッシュしました。
マティアス・エクストローム/エミール・ベリークヴィスト組も同じ場所で道に迷い、1時間45分を失いました。しかし、ダカールラリーに参戦するのは2度目で、自動車カテゴリーでは初参戦となるこのスウェーデン人ペアは、多くのことを学ぶことができたと語っています。DTM選手権を2回、世界ラリークロス選手権を1回制したエクストロームは、次のようにコメントしています。
「チームメイトが、数多くのヒントを教えてくれました。そして、リズムも日々良くなっていきました。砂丘は、あいかわらず私にとって大きな挑戦です。その点で、ステファンとカルロスは、長年の経験によるアドバンテージを持っています。私はつねに安全を優先し、あまり激しくアタックをしないように心がけました」
結果的には、砂漠の経験がもっとも少ないチームが最高位を残すことができました。このスウェーデン人ペアは、最初の23番手から9位まで順位を着実に上げました。第8ステージではステージ優勝、トップ3の表彰台にも2度上がった彼らは、あらゆるモータースポーツの中でもっとも経験が求められる砂漠のラリーで、着実な成長を見せました。
チーム・アウディスポーツは、Q-Motorsportと協力してダカールラリーの準備と参戦を行いました。スヴェン・クヴァントが率いるこのチームは、数十年にわたる参戦実績を持っています。Q-Motorsportマネージングディレクター兼チーム代表のスヴェン・クヴァントは、次のように述べています。
「この野心的なプロジェクトを実現し、協力して最初から結果を出せたことに対し、アウディに感謝しています」
アウディスポーツGmbHマネージングディレクター兼アウディ・モータースポーツ部門統括責任者のユリウス・シーバッハは、次のように述べています。
「私たちのドライバーチームは4つのステージ優勝を獲得し、毎日の表彰台には合計14回も上ることができました。この結果は、ダカール初参戦の私たちの期待を上回る結果です。現地のチームだけでなく、ドイツ国内の関係者も含めて、感謝したいと思います」
「またスヴェン・クヴァントと彼のチームのサポートに感謝します。3日目という早い段階で、カルロス・サインツのAudi RS Q e-tronが歴史的な優勝を収めたことは、情熱的な努力の賜物であり、このコンセプトがダカールラリーで総合優勝できる能力を備えていることを証明するものです」
「アウディは、電動駆動コンセプトでステージ優勝を収めた初めてのチームとなりました。これは、素晴らしいチームパフォーマンスの結果です。次のダカールでの目標は、総合優勝です。ドイツに戻ったら問題点を洗い出し、アウディRS Q e-tronをさらに改善して、さらにいくつかのレースに投入する予定です」