ふたりのセバスチャンが“別次元”とも言える戦いを繰り広げるなか、後方では波乱が続いた。デイ3を総合3番手で終えたクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)はその恩恵を受けたひとりだ。
この日のスタート時、彼の前にはエバンスとティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)、オット・タナク(ヒュンダイi20 Nラリー1)が並んでいたが、トヨタのドライバーは総合3番手で迎えたSS11でコースオフ。観客の助けを借りステージに復帰するも、大幅にタイムを失い総合26番手に後退した。
また、同じSS11ではタナクもコース脇の土手にフロントから突っ込んでラジエーターを破損させてしまい、ラリー続行が不可能に。僚友のヌービルは右フロントのダンパーが損傷したことでタイムを失い、順位を6番手に下げている。
この他にもオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 Nラリー1)がSS10でコースを外れて斜面に転落、SS13では総合5番手に順位を上げていた勝田が雪に足を取られ、道路脇の溝にはまってしまったが、いずれも観客の手助けによってラリーに復帰している。ポジションは勝田が総合13番手、ソルベルグは総合48番手だ。
ブリーンと同じく、この状況下で順位を上げてきたのは、トヨタのロバンペラだ。苦しんだ前半2日から一転、バランスのとれたセットアップを見つけた彼は序盤から好調な走りを披露し、終盤のSS12とSS13ではベストタイムを記録してみせた。ライバルたちが次々に脱落していくなか9番手からポジションを上げ、3番手から37.8秒遅れの総合4番手につけた。
前日にキャリア初のステージ優勝を飾ったガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)は、パンクとエンジンの不調に苦しめられた。彼はスパークプラグを交換したことでTCに後れ3分のペナルティを受けたものの、波乱続きの1日を生き残り総合5番手につけている。
SS14~17が行われる競技最終日の23日(日)は、デイ2の実施エリアと一部が重なるフランスの山岳地帯で、2本のステージを各2回走行する。SS15の再走ステージとなる最終SS17はステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”だ。4本のSS合計距離は67.22km、リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は298.41kmとなっている。







