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 そんななか始まった2022年電動オフロード戦のオープニング・ラウンドは、今季より土曜午前のクオリファイ1と、午後のクオリファイ2で各2ヒートを争い、それぞれ男女が1周ずつを走行する計2ラップのフォーマットに改められた。

 そのオープニングから速さを見せたのはやはりX44で、午前午後を通じて最速を記録。今季よりメインパートナーを迎えたジェネシス・アンドレッティ・ユナイテッド・エクストリームEのティミー・ハンセン/ケイティ・マニングス組や、電動ハマーで参戦のチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)らを抑え、セミファイナル1のポールポジションを確保した。

 明けた日曜午前のセミファイナル1からは、そのX44とRXRの宿敵同士が順当に勝ち上がり、一方のセミファイナル2ではWorldRX世界ラリークロス選手権タイトル経験者のティミーがまさかのロールオフを喫し、ここでアンドレッティ・ユナイテッドの敗退が決定。代わってCGRのカイル・ルデュック/サラ・プライス組と“帝王”カルロス・サインツ/ライア・サンズ組のアクシオナ・サインツXEチームがファイナル進出を決める結果に。

 そして敗者復活に回った4チームのうち、こちらも元F1王者ジェンソン・バトン率いるJBXEから参戦する“もうひとりのハンセン兄弟”こと弟のケビンにもアクシデントが襲い、このクレイジーレースでの競技中に負傷し病院へと搬送。大事を取り、ひと晩の入院で経過観察を強いられる状況となった。

 これにより、マクラーレンXEのタナー・ファウスト/エマ・ギルモア組が最後のスポットを獲得したファイナルでは、スライドコントロールの名手として世界的に名を馳せるファウストが、初戦の緊張からかまさかのコントロールミスを犯し、RXRのコチュリンスキーを追走する3番手走行中に激しく横転。1周目終了時点でレッドフラッグによりレース中断の起因となる。

 残り1周スプリントで再開された勝負は、4台が男女交代スイッチゾーン進入時の各タイムギャップでリスタートを切ると、前を行くアクシオナのサンズと、X44のグティエレスに対し、RXRのクリストファーソンが猛スパートを開始。ふたりのスペイン出身女性ドライバーにみるみる迫ったWorldRXの4冠チャンピオンは、まずグティエレスのインサイドに飛び込み華麗に仕留めると、最後から2番目のコーナーでワイドラインを選択し、サンズをオーバーテイク。見事な逆転劇で初年度に続くオープニングイベント制覇を成し遂げた。

「新予選フォーマットが不安要素だったけど、楽しめているし最速は気分が良い」と、X44のクリスティーナ・グティエレス
セミファイナル1では3位フィニッシュながら、XITE Energy Racingのペナルティでファイナル進出のRXR
セミファイナル2ではWorldRX世界ラリークロス選手権タイトル経験者のティミー・ハンセンがまさかのロールオフ
セミファイナル2を制した電動『HAMMER(ハマー)』で参戦のChip Ganassi Racing(チップ・ガナッシ・レーシング/CGR)は、ファイナル4位に

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