かつてのEuroRXでツーリングカー・クラスの勝者にもなったマグダ・アンダーソンの妹で、2021年には地元スウェーデンの国内選手権でクラスチャンピオンも獲得した22歳のクララは、今季よりオリバー・ベネットのペアとしてXITEエナジー・レーシングに加入し、電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権エクストリームEへのデビューも果たす(開幕戦は欠場)。
「こうして私がWorldRX初の女性フルシーズンドライバーになることを非常に誇りに思っている。これまでの私の人生でもっとも刺激的なことだし、学ぶことはたくさんあるだろうけれど、長期的な目標は最初の女性世界ラリークロス・チャンピオンになることよ」と意気込みを語ったアンダーソン。
その彼女は7歳でレーシングカートを始めると、6年間でスウェーデン、ノルウェー、イタリアのトラックで優勝を記録し、2019年から本格的にラリークロスに転向。昨季2021年には世界選手権併催の電動ワンメイク・シリーズとなるFIA RX2eチャンピオンシップにゲスト参戦すると、ファイナル進出を果たして4位フィニッシュを飾る健闘も見せていた。
「開幕前テストでステアリングを握る日が待ち切れない。いくら経験があれど、この500kW(約690PS)の“エレクトリック・ビースト”は私にとって完全に新しいもので、簡単に何かが手に入るなんて期待はしていない。トップに立つためには、私たちの前にたくさんのハードワークが待っていると思うわ」
一方、新天地からの参戦となるニクラスも「この機会を得ることができて光栄だし、とても刺激を受けている」と抱負を述べた。
「それでも僕らはトップを目指して戦うための強い条件を持っていると思う。チームは新しい組織だが、多くの組み合わせと経験があり、今年はいくつかの驚きをもたらすことができると思っている。クララと一緒に組めるのも楽しみだし、この新しい画期的な旅を一緒に始めることができてうれしく思うよ」
そのマーカスが率いたGRXタネコ・チームのオペレーションも担当したSETプロモーション代表を務め、自身もドライバーとして欧州タイトルなどを獲得した、経験豊富なユッシ・ピノマキが同チームのマネージャー職に就任する。
「チームとそのパートナーは男女平等を目指して努力しており、我々のプログラムはクララとニクラスを介して、このシフトを推進する上で重要なパートを担う。彼らは生まれ持った才能と経験の点でお互いをうまく補完し、タイトルのために戦うという長期的な目標を可能にする強力なセットアップだと確信しているよ」


