一方、デイ2で首位に立つも、デイ3の終盤ロバンペラに逆転され総合2番手に順位を下げたエバンスは、攻めの走りで最終日を戦うも今季初の総合優勝には届かず。それでも今大会で2番目に多い6本のベストタイムを記録し、2022年シーズン初となる表彰台を獲得するなど、苦しんでいたシーズンの中でもっとも充実した内容のラリーとなった。

 また、2度のデイリタイアを乗り越え、グラベルでのクルマの特性を掴むために走り続けたオジエは、総合51位というリザルト以上に貴重な経験を積み、タフな展開となったラリー・ポルトガルを締めくくっている。

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加している勝田は、デイ3で4本のステージ3番手タイムを記録し、総合3位にポジションアップを果たして競技最終日を迎えた。彼は総合4番手につけるベテランのダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)と激しい表彰台争いを展開。

 最後のパワーステージで順位が入れ替わり、昨年のサファリ・ラリー・ケニア以来となる表彰台を僅か2.1秒差で逃すことになったが、それでも今季の最上位タイとなる総合4位を獲得し、ドライバー選手権6番手から3番手に順位を上げている

 TOYOTA GAZOO Racing WRTを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「トヨタGRヤリス・ラリー1で臨んだ最初のグラベルラリーで、素晴らしい結果を出すことができた」とチームのワン・ツー・フィニッシュを喜んだ。

「とてもうれしいが、チームが速くて信頼性の高いクルマを作ってくれたからこそ、ドライバーたちはこの週末素晴らしいパフォーマンスを発揮できたんだ。だから、チームのみんなを誇りに思う」

「カッレ(・ロバンペラ)は、我々の予想に反して見事優勝してみせた。彼がこれほど早く成長し、ラリーをリードしているときのプレッシャーに対処できるようになるなんて、ちょっと信じられない」

「エルフィン(・エバンス)もまた、今回はクリーンで素晴らしい走りをしたし、とてもいいラリーを戦ったと思う。優勝まであと一歩だったが、チャンピオンシップを戦う上で本当に貴重なポイントを獲得した。さらに、(勝田)貴元の戦いも見事だった。数秒差で惜しくも表彰台を逃すことになったが、彼がこの週末に素晴らしい走りをしたことは間違いない」

 WRCの次戦第5戦は、6月2~5日に開催される『ラリー・イタリア・サルディニア』だ。イタリアのサルディニア島が舞台となる同ラウンドは、今戦に続く今季2戦目のグラベルイベント。全体的にハイスピードなステージで構成されるが、道幅は狭く道のすぐ脇まで木々や岩が迫るため、小さなミスも許されないラリーだ。また、ラリーカーが走行すると目の細かいグラベルの下から下から硬い岩盤や石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれるなど路面コンディションが大きく変わるのが特徴だ。さらに、この時期は例年気温が高くなることが多く、ドライバー、クルマ、そしてタイヤにも厳しいラリーとなることが予想される。

総合51位でラリーを完走したセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第4戦ポルトガル
総合51位でラリーを完走したセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第4戦ポルトガル
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第4戦ポルトガル
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第4戦ポルトガル

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