ファビアRSラリー2は、エンジンパフォーマンスの向上、サスペンションの設計見直し、特殊な形状のリヤウイング採用と、ボディも含め全面的に新設計されたシュコダの意欲作だ。ホモロゲーションの取得は8月1日に予定されており、本来ならばラリー・フィンランドでWRCデビューを果たす予定だった。
しかし、パーツの供給に問題が生じフィンランドには間に合わず。続くイープル・ラリー(ベルギー)はインターバルが短いため、9月のアクロポリス・ラリーがデビュー戦となる可能性が高い。状況次第ではさらに遅れるかもしれないが……。
開発ドライバーのひとりでもあるミケルセンは、すでにチェコのボヘミア・ラリーでニューマシンをコースカーとして走らせており、力強いエンジンパフォーマンスと、高速スタビリティの高さを実感したという。ラリー・エストニアで優勝し、WRC2ランキング首位をライバルと争う立場のミケルセンとしては、少しでも早くニューマシンの恩恵を受けたいところだろう。
一方、ライバルマシンもアップグレードで対向する。Mスポーツ・フォードは、ラリー・エストニアでフィエスタ・ラリー2の進化版を投入。ダウンフォースを向上させるため、リヤウイングは複雑なデザインとなり、ミラーはプーマラリー1ハイブリッドと似た形状のL字型タイプに。
また、リヤサスペンションはクロスメンバーを新設計、ジオメトリーも含めて改善された。ただし、エストニアでは期待されたほどの速さは見られなかったが。
華やかなトップカテゴリーの陰に隠れがちではあるが、WRC2は選手も、クルマも、優勝戦いも非常にハイレベル。次戦はWRC2の戦いにも注目してほしい。


