また、オープニングのSS11でベストタイムを記録し、その後も安定した走りを見せていたエバンスもトラブルに見舞われる。SS17で左リヤサスペンションにダメージを負い、最終のSS18を前にリエゾン(移動区間)で応急処置を実施することになった。しかし、完全なかたちでラリーを続けることはできず、SS18ではロバンペラから52.1秒遅れることに。この結果、総合4番手の順位は守ったもののトップとの差は1分19秒となり、表彰台争いも厳しい状況となってしまった。
デイ2で総合6番手につけた勝田は、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と激しい総合5番手争いを展開。SS18でスピンを喫し約30秒を失ったが、順位を落とすことなくデイ3を走り切っている。
「今日もまた素晴らしい戦いが繰り広げられた。我々のドライバーは皆一生懸命プッシュし、ベストを尽くして戦った」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「今日のように競争が激しくなると、エルフィン(・エバンス)のように少しワイドに膨らんでサスペンションにダメージを負ってしまうようなことも起こり得る。一方、エサペッカ(・ラッピ)は跳ね上げられた石がフロントウインドウに当たって割れるという、不運に見舞われた。それでも、彼らは順位を落とさず最後までよく頑張ってくれた」
「カッレ(・ロバンペラ)は本当にいい戦いし、プッシュして差を縮めようとしたが、今日のオット(・タナク)は本当に強かっただけでなく、リスクも冒し、それがうまくいった。明日は、最初のステージがもっとも重要だと思うし、きっとカッレは朝のステージで少しプッシュしてプレッシャーをかけ続け、相手のペースを確認すると思う」
そんなラリー最終日は、サービスパークの東側および南側エリアで2本のステージを各2回走行する。4本のステージの合計距離は43.92km、リエゾンを含めた1日の総走行距離は265.59kmだ。

