総合6番手で迎えた土曜日、午前中に雨が降ったこのデイ3のステージが勝田を悩ませることになった。彼によると、フィンランドのステージは水はけが良い路面であるため、雨が降ってもなかなかグリップレベルは落ちないという。もちろんすべてのコーナーに当てはまるわけではないが、感覚的には多少濡れた方がグリップが上がるとも。

 そういったコンディションに対し、勝田は「とくに午前中に自分のドライビングがうまく合わせられなかった」と述べた。

「プッシュできるところで抑えすぎていた、というのが午前中の反省点でセッティングを変更したり、走り方を変えるなどいろいろトライしてみましたが、しっくり来ませんでした」

「路面がほとんど乾いた午後もセッティングを少しだけ変え、フロントのグリップを補うかたちで行ったのですが、それが悪い方向に進んでしまいクルマのバランスを含めて自分のドライビングのリズムをさらに崩すことになりました」

 その影響もあってか、3日目最後のSS18でスピンを喫し30~40秒のタイムを失った勝田だが、最終日に向けたセットアップの変更が奏功しデイ4のSS19~22、計4本のステージではフィーリングが改善されたマシンでトップドライバーたちと遜色のないタイムを刻み、最終的に総合6位でラリーをフィニッシュした。

 目標に掲げた表彰台を争う位置に留まれなかったことについて、土曜日の走りが「分岐点になったと思っている」と勝田。

「改善点という意味でもそこが一番です」

「土曜日に自分のミスで大きくロスしてしまった部分とリズムをうまく掴めなかった部分、そういったところが今回の大きな敗因だと思うので、今後に向けてデータやオンボードなどを見つめ直していきたいと思っています」

 次戦以降のラリーに向けての意気込みを求められた彼は、「まだまだ自分の実力不足で、いいタイムを刻めた部分もありましたけど同時にまだまだ足りない部分も多かったので、そこは次のグリース(第10戦ギリシャ)ですね。タイプはだいぶ違うグラベルですが改善していきたいと思います」と語った。

「次戦のイープル(・ラリー・ベルギー)はターマック(舗装路)のラリーで、昨年クラッシュを喫しているイベントのひとつでもあるので、本当にステップ・バイ・ステップで。ターマックは第3戦クロアチア以来になりますし、自分の中でまだまだ改善点が多いラリーだと思うのでここでしっかりと大きな経験値を積み、(第12戦)スペインにいい流れで行って最終戦ラリージャパンにつなげるためにも、まずはこのターマックの1戦を終えたいと思っています」

勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第8戦ラリー・フィンランド
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第8戦ラリー・フィンランド

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