更新日: 2022.09.14 11:36
トヨタ勢最上位も「納得いかない週末」と勝田貴元。ミスとトラブル、チームの不振も重なったWRCギリシャ
具体的には、選手権リーダーのカッレ・ロバンペラが競技3日目にドライビングミスで順位を大きく落とした。また、同じ日に総合2番手につけていたエサペッカ・ラッピのクルマに燃料系のトラブルが発生。戦線離脱を余儀なくされる。さらに最終日には、表彰台を争う位置にいたエルフィン・エバンスもエンジン関連の問題でリタイアとなっている。
勝田もデイ4でクルマのトラブルに見舞われた。「パワーステージの直前、リエゾンで水が漏れているの発見しました。それも少しではなく、エンジンルームから水蒸気が出るくらい多くの水が漏れていました」と当時の状況を説明した勝田。
「確認したところラジエーター自体にダメージはなく、どこか別の場所から漏れていたようです」
結局、その後も水漏れしている箇所が判明しなかったため、勝田は冷却水を継ぎ足しつつ、チームとの相談のうえでエンジンをセーフティモードにして最終ステージを走破している。
なお、彼によるとサービスに戻ってきた時点でも漏水箇所は判明しておらず、「これから(場所とトラブルの)原因を探っていく」とのことだ。
陣営内で相次いだマシントラブルについて、チーム全体が「非常に驚いた週末だったのではないかと思う」と勝田は述べた。
チームから注意喚起のインフォメーションはあったか、との質問には「皆に同じようなトラブルが出始めるとそういった情報も入ってきますし、そうではなくても大抵は『なにが問題だった』という話が入ってくるのですが、今回はそれぞれ原因が違ったので……」
「本当にこんなことがあるんだな、というくらい踏んだり蹴ったりで、いろいろなことが続いて起こりました。その中で、もちろん注意はしていましたが、それ以上に僕だけでなくチーム全体が非常にびっくりした週末だったんじゃないかと思います」
「ただ、こういった(うまくいかない)週末もシーズンの中にはあるもので、その中でどう対応していくかというところで僕自身もチームもうまく合わせられなかったですし、最終的にうまく決まったところも見つけられなかったので、非常に反省点の多いラリーだったように思います」
“今年一番の不振”とも言える、チーム全体にとって厳しいラリーとなった今戦について反省の弁を口にした勝田だが、初参戦となった難関グラベルラリーのアクロポリスを走破したことは彼自身、ポジティブに捉えている。
「今回のギリシャに関しては初参戦だったこともあってドライバーとしての多くの発見があり、いろいろと経験ができました。ですので最後まで全ステージを走れたことは今後につながると思っています」
事実、ラリーは経験がものをいう競技であり、この経験が来季のギリシャや次戦のニュージランドなど他のラリーイベントでの活躍に活きる材料になるはずだ。