そのスタートでは大外から一気に前に出たティミーに対し、インサイドから発進したクリストファーソンが追い縋る展開となり、2周目のターン1ブレーキングゾーンで勝負に出た王者は、プジョーのインサイドにダイブ。レイトブレーキングを敢行したフォルクスワーゲンRX1eだったが、激しいノーズダイブを見せたまま208の右サイドに接触し、そのままティミーはアウト側のグラベルに弾き飛ばされる結末に。
すでにジョーカーを消化したCEディーラーチーム陣営に対し、5周目のファイナルラップで飛び込んだクリストファーソンは、猛追を見せたグロンホルムを抑え切りトップチェッカー。しかしスチュワードは迅速な裁定を下し、KMSのエースは10秒加算のペナルティで最下位に。結果、グロンホルムがキャリア通算7勝目、2021年に続きモンタリグレ連覇の結果を手にした。
「これは明らかにドライバーとして勝ちたい方法ではないよね。こういう状況は、いつだって少しほろ苦いものさ」と、この日もヒート1のパンクから挽回を見せた勝者グロンホルム。
「開幕から最初の4ラウンドは苦戦したが、今日は少し良くなり、最終的に結果を出すことができた。プログレッションレース以降、マシンのフィーリングは良かったし、戦術が正しければ決勝で表彰台に挑戦できる自信はあった。終盤にいくつかミスをしたけど、それがなければヨハンを捉えられたと思う」
「彼の今の気持ちはよくわかるが、僕たちCEディーラーチームとすべてのパートナーにとって、両方のクルマがトップ3に入るのは素晴らしいことだ。これまで厳しいシーズンを過ごしてきたが、ようやく良い方向に進んでいるように見える。これが続けられることを願っているよ」
2戦連続2位表彰台のオーレ・クリスチャンを挟み、22歳のアンダーソンが3位に入り、彼女の活躍でチームはダブル表彰台を獲得しただけでなく、女性ドライバーとしてラリークロス世界選手権史上初の表彰台に上がることとなった。
「わぉ、なんて週末だ!って気分ね。ポルトガルに行く前は今季もっとも苦戦するトラックであろうことを知っていたし、実際にとても挑戦的なレイアウトだった。私のバックグラウンドはリヤ駆動のサーキットカテゴリーで、よりスムーズに走る必要があるけれど、ここで速く走りたい場合はさらにそうする必要があった。これまでレースした中でもっとも難しく楽しいトラックのひとつであり、ドライバーとして多くのことを学んだわ」と、地元スウェーデンで史上最年少の国内選手権クラス王者も獲得するアンダーソン。
「週末のみんなの働きを本当に誇りに思っている。ニクラス(・グロンホルム)は両日とも超速だったし、世界選手権で初めて表彰台を獲得したことはもちろん素晴らしいことだった。そして何よりも、自分のドライビングとパフォーマンス、週末の成長と進歩に本当に満足しているわ。コース上で真に速いドライバーたちについていくことから多くを学び、少しプッシュできたしね」
一方、併催のEuroRX1では、アントン・マルクランド(SETプロモーション/ヒョンデi20スーパーカー)が自身3度目となるヨーロピアン・タイトルを獲得。引き続きダブルヘッダーとなるWorldRXの第6戦/第7戦は、10月8~9日にベルギーのスパ・フランコルシャンで争われる。


