その宣言どおり、明けた金曜SS1から3.6秒のマージンを稼いだヤレーナだったが、続くSS2ではボナートがすぐさま反応。レグ最長22.64kmのSS3では5.4秒差で新王者を追い越し、早くもタイムテーブルをひっくり返したボナートがラリーリーダーの座に躍り出る。続くSS4でも1.9秒を稼いだフランス人は、午前のループだけで4.2秒差としてサービスに還ってきた。

「カナリアスとローマの後、僕らもエフレンとの別の接戦を期待してここに来ている。とくに最初のふたつのステージと最後のステージは、難しいコンディションでパンクしないよう気をつけたが、ミシュランはうまく機能してくれた。この後、今晩に向け暗くなってからの(ループ)ステージも楽しみにしている」と、有言実行のドライビングを披露したボナート。

 午前のSS1と同じ展開で、午後のSS5こそ新チャンピオンが1秒にまでギャップを詰める反撃の姿勢を見せたものの、日が暮れるにつれボナートが容赦なくリードを拡大し、暗闇のSS7で8.6秒も新王者を引き離すと、最終SS8のキャンセルもあり18.5秒のマージンで夜を越す展開とした。

 明けた土曜もその勢いを維持したシトロエンの有望株は、午前のSS9とSS10で21.3秒までアドバンテージを拡大していく。

「もちろん、初優勝を狙う予定さ! ミシュランタイヤは長いステージでうまく機能しているし、午後も同じように続けたい。今季の他のラリーではそうだったが、今回は最後にエフレン(・ヤレーナ)と僕のギャップがそれほど接近していないことを願っているよ(笑)」と、この時点である程度の余裕を築くことに成功したボナート。

 午後の最終パワーステージであり、このラリー全体の最長SSとなった24.18kmの“El Montmell 2”も制したボナートは、最終的に13.8秒のマージンを守ってERC初優勝を達成。全12SS中7SSでベストタイムを奪取する完璧なラリー運びで自身4度目の出場となったイベントを支配し、ランキングでも9位から3位へとジャンプアップする鮮烈な結果を残した。

「信じられない結果だよ! 僕はとても幸せだ。この勝利にはコドライバーやチームはもちろん、ここで完璧なタイヤを提供してくれたミシュランまで非常に多くの人々に支えられたもの。本当に感謝している。それにしても、驚くべき結果だね!」と、シリーズ初勝利喜びを爆発させたボナート。

 一方、地元ヒーローのヤレーナも、凱旋クルージングとばかりにチームメイトで同郷のパルドとともにポディウムの両脇を固め、初戴冠を決めた記念すべきシーズンを締め括る結果となった。

ラリー全体の最長SSとなった24.18kmの”El Montmell 2″も制したボナートは、最終的に13.8秒のマージンを守ってERC初優勝を達成
昨季までSuzuki Motor Ibéricaに所属し、キットカーの『スズキ・スイフトR4LLY S』でERC2王者に輝いたハビエル・パルド(シュコダ・ファビアRally2 EVO)が3位入賞
「信じられない結果だよ!」と語ったボナート(右)が、自身4度目の出場となったイベントを支配し、ランキングでも9位から3位へとジャンプアップする鮮烈な結果を残した

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