勝田車のタイヤがパンクした左コーナーではチームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が同じようにタイヤを壊し、スペイン出身のベテランドライバー、ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)も同じポイントで左フロントをパンクさせてしまった。
さらに、SS7と同じステージで行われた午前のSS3では、やはり同じコーナーでピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)がタイヤにダメージを負ってタイムを失った。
同一箇所で相次いだタイヤトラブルの原因について、勝田は次のように語った。
「(パンクした)タイヤの切れ目を確認すると岩というよりは、どちらかといえば金属系の……刃物とまでは言わないですが、スパッときれいに切れていたので、おそらくイン側に金属系のなにか突起物があったのかなと思っています」
「そこはレッキ(事前のコース下見)で視認できていなかったので、実際にそこに何があったのかはわからないのですが、タイヤの切れ方を見る限り一気に穴が開いて空気が抜けたような感じでした」
ラリーはサーキットで行われるレースとは異なり、競技区間が合計数百キロに及ぶ。そのため、より詳細なペースノートを作ろうにも限度があり大きな石や岩などはともかく、今回のように小さな突起物を見つけるのは至難の業だ。勝田だけでなく他の3選手がまったく同じ場所でパンクしてしまったことからも、彼のペースノートに明らかな不備があったとは言い難い。それを踏まえたうえで、勝田は今後に向けた対策のひとつを挙げている。
「非常に残念でしたけど、これもひとつの経験です。インカットがたくさんあるところでは、なかなかそういった小さな物を見つけるのは難しい部分もありますが、より注意して見る必要があります」
「また、午前中にある選手がパンクしていたら、その原因を探り自分たちが同じところでパンクしないようにするというのも非常に大事なことだと思うので、そういったところをもう少し気をつけるべきだと感じました」
なお、幸いなことに(?)勝田にとって最初のWRC母国イベントとなる今季最終戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』は、全体的にインカットできるコーナーが少ないものとみられている。

