WRCで4度の世界王者に輝き、TOYOTA GAZOO Racing WRTの立ち上げにも尽力したマキネンの指導を受けた勝田は、当初こそ「サーキット時代に身につけた限界点を求めるドライビングから、ステージ上でのリミットを見極めるドライビングへの切り換えに苦心」したものの、次第にラリードライビングの要点を体得。ダニエル・バリットを自身のコドライバー兼メンターに迎え、トシ新井と同じく日本のWRC挑戦者として2006年のPWRC開幕戦モンテカルロを制覇した奴田原文雄のコドライバー経験も持つベテランからもラリーの作法を学び続けた。
その成果は2017年から徐々に開花し始め、イタリアでのWRC2クラス初表彰台に続き、翌年のスウェーデンではWRカー経験者やスノーラリーが得意な北欧勢を差し置き、6本のSSベストを刻んで世界選手権でのクラス初優勝を成し遂げた。
2019年にもWRC2のチリで2勝目を飾り、フィンランド国内選手権では初のWRカーとなる『ヤリスWRC』のステアリングを握ると、ラリー・ドイチェランドにもスポット参戦を果たし、ラリー転向わずか5年で念願の世界選手権トップカテゴリーに到達。難関ターマックを走破して総合10位に入り、初ポイントを獲得する堅実さも披露してみせた。
同年にはラリージャパン復活に向け岡崎市で開催のセントラルラリーにも『ヤリスWRC』で凱旋、2020年からは晴れてTOYOTA GAZOO Racing WRTの一員としてチーム4台目のマシンを託される。
初年度からスーパーSSのようなツイスティかつ“コースジムカーナ”のようなステージではトップドライバーを上回るスピードも見せ、最終戦モンツァでは最後のパワーステージで初のトップタイムを叩き出すなど、条件が揃った場面でのスピードはすでにワールドクラスであることを証明した。
そして2021年に19年ぶりのWRC開催となった伝統のサファリでは、荒れた展開のなかで一時はラリーリーダーに立つなど日本のファンを沸かせると、近代の“絶対王者”WRC8冠を誇るセバスチャン・オジエと並んで2位表彰台に登壇する。
今季2022年は“ネクストジェネレーション”と銘打った育成チームで、新コドライバーのアーロン・ジョンストンとともに新規定ラリー1車両をドライブするが「ハイブリッドの搭載やアクティブデフの廃止などで、ドライビングスタイルの変更が必要」となり、アンダー傾向が強まり積極的に曲げていく必要があるハンドリング特性や、リヤの重さなどにも適応するシーズンに。
それでも、ケニアの地では2年連続の表彰台となる3位に入るなど、安定した戦績で僚友エルフィン・エバンスに次ぐドライバーズランキング5位につけている。
自身のお膝下であり、土地勘に加えて凱旋ラリーなどでステージ感覚も知るラリージャパンは他の選手と比べると『勝手知ったる道』でもある。そんな“条件が整った”環境で、ワールドチャンピオン経験者オジエを相手にどんな走りを見せてくれるだろうか。


