「もちろん(ペナルティは)今季のハイライトではなかったね(笑)。(降雪に見舞われた)昨年と比べてトラックは大きく異なる。完全に乾いている状況でのクルマの速さには驚いたし、至るところでサイドウェイのアクションが繰り広げられた」と、改めて良好な条件下で500kWのパワーを満喫した33歳の新チャンピオン。
「スーパーポールでの最速が今週末の最大の目標のひとつだった。ここでは最前列からスタートしないと非常にトリッキーな事態に陥る。最終ヒートに向けいくつか改善を行うことができたし、明日に向けては良い兆候だね」
明けた日曜13時過ぎのプログレッションから再開された勝負は、セミファイナル1でケビン・ハンセン(ハンセン・ワールドRXチーム/プジョー208 RX1e)を順当に撃破したクリストファーソンが、ハンセン・ブラザーズを従えてインサイドの最前列から年間ファイナルのヒートへ。
決勝でも慌ただしい最初の数コーナーを首位で抜けた後、疑いの余地なく後続の追跡者を適切に引き離した5冠王者は、そのまま2.5秒以上のギャップを築いてチェッカーフラッグを奪い、悠々キャリア通算35勝目でフィナーレを飾った。
「とても良い週末だった。僕らKMSのチームは1年を通して完璧なクルマを届けてくれたし、今季達成したすべての勝利は、忠実なパートナーとパッケージ全体をゼロから組み立てた、このプロジェクトに関与するすべての人のためのものだ」と、自らのファミリーチームとスタッフ全員に賛辞を送ったクリストファーソン。
「信頼できるクルマを作ってくれて、それが僕にプッシュする自信を与えてくれるとき、僕は完全に自分の仕事に集中することができる。チーム選手権の表彰台を父と共有できたのはとてもいい気分だった。ラリークロスのイベントで一緒に表彰台に上がってから数年が経ったが、前回は彼がドライブしていたときだったから、それは僕ら家族が一生共有する思い出になるだろうね」
一方、2位でフィニッシュしたケビンはレース後の車検で車両の規定違反が発覚してリザルト除外処分となり、代わってコンストラクション・イクイップメント・ディーラーチーム(CEディーラーチーム)から参戦のニクラス・グロンホルム(PWR RX1e)と兄ティミーのトップ3に。
そして話題を集めた“デルタ・インテグラーレの生まれ変わり”こと『ランチア・デルタEvo-e RX』は、土曜ヒート1でケビンのプジョーと絡んで早々に初日を終えると、日曜セミファイナル2では縁石の激しい衝撃でサスペンションを壊し、ファイナル進出のスピードがあることを証明しつつも、ほろ苦いデビュー戦となった。


