autosport web

 その後勝田はデイ3で順位をさらにひとつ上げ総合6番手に浮上。最終日のデイ4では午前中の2本のステージを終えた後、午後の1本目となったSS17で今大会のベストとなるステージ2番手タイムをマークした。

 ここでの走りについて勝田は、「少しアンダーステアが強かったのでセッティングを多少変えたところ、フィーリングが非常に良くなりタイムもかなり上がりました」と説明した。

 総合6番手につける勝田の好走の裏では、同5番手を走るオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)が30秒以上タイムを失いながらSS17を走破した。この結果、両者のギャップは最終パワーステージを前にして0.1秒となり、勝田にトップ5フィニッシュのチャンスが巡ってきた。

 しかし、「総合5番手もいけるのではないか」そう意気込んでパワーステージに臨んだ勝田にふたたびマシントラブルが襲いかかる。それはスタートから4kmから5kmの地点で起きたという。

 国際映像に映し出された勝田のGRヤリスは明らかにスピードがなく、後方からの映像では左リヤが損傷している様子を確認することができた。このときの状況を勝田は次のように語っている。

「わりとタイトな右コーナーを立ち上がったところで起きた駆動系のトラブルでした。そこでリヤの駆動が一気に抜け、フロント駆動だけになってしまいました」

「右コーナーの立ち上がりだったので(コースの)左側に山がある状態だったのですが、(立ち上がりの最中に)そのままクルマが左側にスパンと抜けてしまい岩肌に左側面をぶつけ、それによってリヤバンパーと左リヤの足回りにダメージを受けました」

 予期せぬクルマの動き、そしてアクシデント後にスロットルを開けることができなかったは「デフに問題があったため」と彼は付け加えた。

「まだ実際にクルマがファクトリーに着いておらず、明日(26日)の到着後に開けてみて(分析する)というところにはなるのですが、データで見ても『明らかにそのときにデフの中が壊れて、それが最後まで引きずっていた』というふうにエンジニアから聞かされています」

 なお、勝田はこのアクシデントの後マシンを引きずるようなかたちになりながらも、トップから約58秒遅れでフィニッシュ地点にたどり着いた。仮にタイトコーナーではなくハイスピードコーナーであったり、状況がひとつ異なればリタイアの可能性もあった危機的状況からクルマを最後まで運びきったことで、7位のダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)に順位を譲ることなく6位入賞を果たしている。

総合6位入賞を果たした勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第1戦ラリー・モンテカルロ
総合6位入賞を果たした勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第1戦ラリー・モンテカルロ

本日のレースクイーン

松田蘭まつだらん
2025年 / スーパーGT
ZENTsweeties
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円