その父をして「オリバーに関しては、彼が速いことは知っていたが、去年と同じように彼は今日も僕を救ってくれた」と、そのスピードを賞賛された息子も、連覇達成にホッと安堵の心情を明かした。
「まずは連覇できたこと、とくに昨季WRCでのチームメイトでもあったティエリー・ヌービルとの最終ヒートに勝てたことは、素晴らしいことだったね。僕は彼に負けっぱなしの傾向だったから、ここでやり返せて良かった(笑)」と続けたオリバー。
「ローブ、エクストローム、クリストファーソンが相手で極度に緊張したけど、今日はこんなに速く走れるとは知らなかった。一貫したラップタイムがあるときは、無理をせず、いつもどおりの運転を心掛ける。それがうまくいって、今日は最高の気分だね」
明けた日曜正午から個人の直接対決が繰り広げられる真のRoCが開幕すると、そのヌービルらを撃破したエクストロームと、同じく同郷ベッテルを降したミック・シューマッハーがファイナリストとして対峙した。
するとグランドファイナルは意外な展開となり、メルセデスF1のリザーブドライバーとなったミックに、2ヒート差をつけてエクストロームが勝利を飾る結果に。これにより2007年のロンドン・ウェンブリースタジアム、2009年の中国・北京オリンピック・スタジアムなどに続く、自身4度目のRoCチャンピオンを獲得した。
「RoCは僕のキャリアにおいて大きな意味を持っている。そこで4勝できたことは非常に特別で、スウェーデンでそれを達成できたことはさらに格別だ!」と、喜びを語ったエクストローム。
「パリのスタッド・ド・フランスでセバスチャン・ローブに対して初めての決勝で勝ち、その後はロンドンと北京でミハエル(シューマッハー)と2回の決勝を戦ったから、今日の決勝でミックを見るのはとても感動的だったよ」
しかし実際のファイナルでは、DTMドイツ・ツーリングカー選手権2冠、そして2016年のWorldRX王者でも予期しなかった、まさかのトラブルが発生していたことも明かした。
「グリッドでは『全力を尽くす』と自分に言い聞かせ、スタートは良かったんだけど、半周後には何かに火がつき、少し煙が立ち始めた。もちろん、それは計画になかったね!(笑)」と続けたエクストローム。
「僕のコドライバー(同乗者)は停止したがったが、ドライブしている僕自身にはあまり興味がなく、気にしなかった。『OK、何が燃えた? これはフロントガラスのヒーターに違いない。それで『耐火手袋をはめているから怖くない……』と思って、見つけた瞬間に掴んだんだ」
「幸いなことにそれは止まり、その一連の過程でスロットルからは足を離さなかったから、タイムロスはあまりしなかった。消火器を押したくなかったのは確かだね(笑)」



