そのアンドロス・e-トロフィーでは、当日2回の予選ヒートを戦い、その後スーパーポール・セッションとスーパー・フィナーレを戦うフォーマットを採用。各セッションの順位に応じた総合獲得ポイントで勝者が決まる仕組みとなり、標準的なラリークロス競技のようにファイナルの決勝ヒートでトップチェッカーを受けたドライバーが、そのまま週末全体のウイナーとはならない可能性もある。
このフォーマットを活かしたのが初代王者のパニスで、開幕以降の各2ヒート開催の週末で着実に勝利を重ねると、第4戦テーニュが天候不順で中止となった影響もあり、地元となる第5戦ラン=アン=ヴェルコールではエルラシェールと予選ヒート最速を分け合いつつ、ファイナルではポールからのスタートに。
ライトが消えてすぐ、ライバルへのドアを閉じる動きを見せたシリーズリーダーのパニスだったが、その数秒後にはWTCR連覇も経験したエルラシェールが豪快なオーバーテイクを披露し、ラップレコードのポイントも加算する快走でトップチェッカー。
2位パニス、3位ベルトンの順でフィニッシュラインを越えたが、週末のポイント分類で首位となったパニスが、今季快調のドリアン・ボコラッチ(AS01/SLR)や、内燃機関時代終盤のシリーズ4連覇から、EV時代でも初代パニス以降で連覇を達成し通算6度のタイトル保持者となったジャン-バティスト・デュブール(ルノーZOE/DAレーシング)らを退け、約3年ぶりのチャンピオンを確定させた。
その翌週開催となった最終戦では、土曜1ヒート勝負でフルモーが躍動。WRCではMスポーツ・フォードで修行を重ねる27歳が、シリーズの主であるデュブールや、地元出身のベルトンを相手に予選から先行し、ファイナルでも首位のままフィニッシュ。デビューイヤーで初勝利を手にする結果となった。
一方、そのエリート・プロとマシンをシェアするエリート・クラスでは、リジェやウイリアムズで活躍したフランス出身の元F1ドライバー、ジャック・ラフィットの愛娘であるマルゴを退け、スポーツジャーナリストのジュリアン・フェブロー(ルノーZOE/DAレーシング)がチャンピオンに輝いている。


