一方、新世代車両として500kW(約680PS)/880Nmを発生するツインモーター搭載の“RX1e”初年度で、全10戦中8ラウンドで勝利し、すべてのスーパーポールセッションでトップに立ったフォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスは、不動のエースを務めるクリストファーソンを軸に、ノルウェー出身のオーレ・クリスチャン・ベイビーと、20歳の新鋭グスタフ・ベリストロームのラインアップを維持し、エレクトリック・シリーズでの連覇達成を狙う。
「それはもう、楽しいことになるよ! 僕らは明らかに追われている立場だが、今はそれ自体を楽しんでいる。昨年の競争はすでに厳しいものだったが、今度はセバスチャン・ローブがそこに加わる。もちろん誰もが彼の能力を知っているわけだしね」と、今季はスペシャル・ワン・レーシングから復帰参戦し、新たに『ランチア・デルタEvo-e RX』のステアリングを握るライバルの出現を喜ぶクリストファーソン。
「冬の間にドライブする機会があったのは良かったし、クルマをさらに最適化するためできる限りのことをしてきたが、他のチームも同じことをしたと確信している。誰が一番よく宿題をやったかを見るのはとても楽しみだ」
そんなWorldRX開幕を控え、一足早く4月29~30日に第1戦が開催されたFIAヨーロッパ・ラリークロス選手権ことEuroRX1では、週末初期のペースセッターである王者アントン・マルクランド(SETプロモーション/フォード・フィエスタRX)を撃破し、ヤニス・バウマニス(RXチーム・ラトビア/プジョー208WRX)が快勝。昨季同様スタンドアローン開催となったハンガリーはニラードで、未勝利に終わった昨季の無念を払拭する快心のシーズンスタートを切っている。


