前方では首位でスイッチゾーンに到達し、ケイティ・マニングスが残る2周でリードを堅持したアンドレッティ陣営がトップチェッカーを受けたものの、このドライバー交代時のスイッチゾーン違反による15.3秒のペナルティにより敢えなく2位に後退。その勝利を受け継いだX44が優勝の栄冠を手にする結末に。
昨季までモータースポーツの有力企業プロドライブと、ラリー界のレジェンドであるセバスチャン・ローブが率いたF1“7冠”王者のチームは、今季よりシングルシーターの名門カーリンがチームの技術サポートを引き継いでおり、オフに大幅な見直しを行ったチームにとって事実上の初勝利となった。
「X44で初勝利を収めることができて素晴らしい気分だ! 自分のためだけでなくチーム全体のために努力してきたことだからね」とシリーズ初勝利の喜びを語ったマッコーネル。その2台の背後では、パンクを喫したCGRのアンダーソンに代わり、カール・コックス・モータースポーツのティモ・シャイダー/クリスティーナGZ組が初表彰台を手にした。
明けた日曜の第4戦は、予選からそのCGRアンダーソンが前日の汚名を返上する最速タイムを記録し、グランドファイナルに駒を進めるも、最後の勝負はシリーズの歴史で初めて決勝中に雨が降り、視界が明暗を分ける展開に。
ここで先頭に立ったのが地元ベローチェ・レーシングのケビン・ハンセンで、スタートからのターン1立ち上がりでリードを確保。テイラーにスイッチして以降もネオム・マクラーレン・エクストリームEチームの追撃をかわしてフィニッシュし、早くも2勝目を手にすることに。3位には今季これまですべてのグランドファイナルに出場しているRJアンダーソン/アマンダ・ソーレンセン組のCGRが入り、ようやくの表彰台を確保した。
「我々はサウジアラビアよりもはるかに厳しい週末を過ごした。 昨日は本当に何も持っていなかったから、巻き返して実際にトップに立つことができてよかったよ」と、安堵の言葉を残したケビン・ハンセン。
「これほど困難な状況を乗り切るには、チームの多大な努力が必要だった。そこで彼らは決勝の1時間前、僕に完全な決定権を与え、セットアップやその他すべてについて迅速な判断の全権を与えてくれたんだ。それを実際にやってのけたのは本当にクールだったね!」
クリアな視界で勝利を飾ったベローチェ・レーシングの背後では、RXRとアクシオナ|サインツXEチームが予選Q2に続いて遺恨を残す接触劇を演じ、ともにノーポイントに終わって勝者にランキングトップの座も明け渡すことに。続くエクストリームEの第5-6戦『Island X-Prix』は、おなじみとなったイタリアはサルディニア島で7月8~9日に争われる。


