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 一方、金曜最速の男となっていた地元出身のマルチェクは、SS2でのコースオフとSS4で発生したポップオフバルブの問題でタイムを落とし、首位と41.4秒差の総合3位となった。

「我々も優勝争いに加わりたいが、もっと頑張れば何かが起こるかもしれない」と昨季のポーランド勝者。

「このレベルではこれが僕の限界ペースだけど、明日はもう1回挑戦するよ」

 日曜のオープニングSSこそ「慎重なアプローチ」を宣言していたパッドンが、世界選手権の経験者らしい最速タイムでその差を7.4秒に縮め、首位のライバルに揺さぶりを掛けるも、このハイペースが祟ったか右フロントタイヤを損傷したままステージを完走する代償を払わされ、優勝争いの結果に大きな影響を与えることとなった。

「僕たちはこれまでと同じようにプッシュし続けたが、またパンクする危険があり、今度はそこでリタイアする可能性があった」と、午後のループではスペアを搭載していなかったことを明かしたパッドン。

「チャンピオンシップと獲得ポイントについて考えたとき、賢明なゲームをプレイすることが重要であり、それが僕らが下さなければならなかった決断だった。今日は午前中にも午後にもタイヤにダメージを受け、計画どおりにはいかなかったんだ」と言いつつ、選手権リードをさらに拡大する連続2位表彰台を確保したパッドン。

「1日のほとんどをスペアタイヤなしで過ごしたような気がしたし、非常にストレスの多い日だったと言わざるを得ない。午後はスペアを2本積むこともできたが、僕らはパワーステージポイントを狙いたかったんだ……」

 そして日曜を通じて39.6秒までギャップを拡大したセスクが、改めてMRFにERCの“ウイニング・タイヤ・アワード”をもたらした。

「本当に特別な気分だ。クルマ、チーム、タイヤ、そして僕ら全員が戦う準備ができていたことを示せたんだからね」と、ERC通算2勝目を挙げた喜びを語ったラトビア出身の23歳。

「良いクルマ、良いチーム、良いタイヤがあれば結果はついてくる。問題が発生する可能性があるわだちのステージでもノートラブルだったし、これほど高いレベルでパフォーマンスができるのはとてもうれしいことさ。ビデオで見ると簡単そうに見えるけど、実際にはかなりの集中力が必要なんだ」

 これで選手権首位のパッドンに37ポイント差のランキング2位に浮上したセスク、そしてミシュランを装着した地元出身マルチェクの3台がトップ3を占め、各タイヤ銘柄がポディウムを分ける結果となったERCだが、このポーランドから“高速グラベルシリーズ3連戦”が始まり、続く第4戦は6月16~18日開催の『ラリー・リエパヤ』へと続いていく。

最終レグのSS9で「勝ちたい気持ちはある」ことを証明すべく「プレッシャーをかけ、ギャップを縮めることができるかどうかを確認した」パッドンだったが、タイヤダメージで引くことに
「すべての仕事、すべてのインプットが利益を得ており、誰もが一生懸命働いている」と語ったTeam MRF Tyresのマルティン・セスク(シュコダ・ファビアRS Rally2)
連続2位表彰台のパッドンが選手権リードを拡大し、勝者セスクが37ポイント差の総合2位に浮上している

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