「信じられない展開ね! 正直に言うと、アスファルトで競争するのは私にとってかなり新しいことで、人生でカートに乗ったのはおそらく3回だけなんだから」と笑顔を見せた25歳のマニングス。
「その点でここに来るのは本当に挑戦だったし、朝は完全に快適ではなかった。ヒートレースでは確かにプレッシャーを感じたし、リヤバンパーのすぐそこに他の選手たちがいるのを感じた。彼らに勝てたことは間違いなく私に少し自信を与えてくれた。とてもうれしい初日になったわ」
同じくデビュー戦のエクストリームE王者グティエレスは6番手となり、昨季もRX2e参戦を重ね、この4人のメンバー中では最多の経験を誇るサンズは2度のDNFで最下位に沈むなど、4者4様の対照的な開幕初日となった。
明けた日曜の最上位クラスRX1eは、この週末に27歳の誕生日を迎えたチャンピオンの僚友オーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲンRX1e)が、セミファイナルでティミー・ハンセン(プジョー208 RX1e)と絡み、プジョーが一瞬宙を舞うアクシデントを誘発。これで2019年王者はファイナル進出を逃し、KMSの地元出身者と一触即発、今後に遺恨を残す怒りの敗退劇となってしまう。
しかしそのファイナルでは、今季もCEディーラーチーム・バイ・ボルボ・コンストラクション・イクイップメントのエースとして戦うニクラス・グロンホルム(PWR RX1e)らを退け、クリストファーソンが約2秒差をつけての完勝。節目となるWorldRX100戦のメモリアルイベントで、自身キャリア通算37勝目を飾った。
「僕らは(開幕のポルトガル)モンタリグレに行っても速かったが、今ここに来て、まったく異なるタイプのトラックでもまた速さを取り戻せた。幸せな日々だよ」と喜びを語ったクリストファーソン。
そして最後の表彰台スポットとなる3位には、シリーズフル参戦復帰後わずか2戦目、電動化時代に移行した最高峰クラスでも2戦目となるティモ・シャイダー(セアト・イビーザRX1e)が、元DTMドイツ・ツーリングカー選手権“2冠”の意地を見せ、所属するALL-INKL.COM・ミュニッヒ・モータースポーツにほぼ3年ぶりとなるポディウムを贈る素晴らしいパフォーマンスを披露。苦心の開幕戦から一転、顕著な好転を示した。
続く2023年のWorldRX第3戦はシリーズを代表する“聖地”ことスウェーデンのホーリエスで、7月1~2日に恒例の『マジック・ウイークエンド』が争われる。


