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投稿日: 2023.06.03 17:22
更新日: 2023.06.19 17:42

アウディ、2024年のダカールラリーに向けテストを実施。頻発したパンクの原因を解析


ラリー/WRC | アウディ、2024年のダカールラリーに向けテストを実施。頻発したパンクの原因を解析

アウディスポーツ、来年のダカールラリーに向けてテストを実施

●パンク原因の解析と解決策を検討

●異なる条件でテスト

●3名のドライバー全員と2名のコドライバーがテストに参加

 2023年5月31日、ノイブルク アン デア ドナウ:チーム・アウディスポーツは、2023年のダカールラリー終了後に、サスペンションおよびタイヤの問題を分析するためのテストを準備しました。今年1月に開催されたダカールラリーにおいて、『アウディRS Q e-tron E2』は、15日間のイベントで合計14回の表彰台を獲得した一方で、さまざまなトラブルに遭遇しました。

 革新的な電気ドライブコンセプトは完璧に機能しましたが、タイヤの問題により、今年もっとも重要なこの大会で、マティアス・エクストローム/エミール・ベリークヴィスト、ステファン・ペテランセル/エドゥアール・ブーランジェ、カルロス・サインツ/ルーカス・クルスの各チームは、上位争いからの後退を余儀なくされました。チームは1月から実施してきた分析に加え、5月にサウジアラビアでテストを行い、原因の調査を完了しました。

 アウディモータースポーツ責任者ロルフ・ミヒェルは、チームに明確な目標を設定していました。「私たちのテクノロジー、チーム、そしてドライバーとコドライバーは、優勝争いに参加できるポテンシャルを秘めています。それぞれのステージにおける結果は、それを証明するものです。そのため、タイヤのパンクやその他の小さなトラブルによって順位が後退してしまったことを、非常に残念に思い、解決策を見つける必要がありました。私たちが体系的に計画したテストでは、理論的な分析が行われ、来年に向けての重要なステップとなりました」

 アウディのダカールラリー参戦パートナーであるチームQモータースポーツ、エクストローム、サインツ、ペテランセルの3人のドライバーは、この目的のため、5月の第3週にサウジアラビアで数日間にわたって行われたテストに参加しました。

テストには全3名のドライバーと、エドゥアール・ブーランジェを除く2名のコドライバーが参加した
テストには全3名のドライバーと、エドゥアール・ブーランジェを除く2名のコドライバーが参加した

 チームは、公式タイヤサプライヤーであるBFグッドリッチの2種類のタイヤを使用してパフォーマンスを比較し、1月のレースで発生した状況を再現するために、さまざまなテストコースで走行を行いました。エンジニアは、グラベル(砂利)と砂を含む約13kmの高速コースで、パフォーマンス面の調査を行い、石の多い約11kmのコースでは、耐久性とダメージの種類に重点を置いてテストを実施しました。

 シャシーは荒れた路面でも効率よく安定して動作する必要があるため、ショックアブソーバーにも焦点が当てられ、シャシーに設置された荷重および加速度の測定センサーが、この分析をサポートしました。

 Qモータースポーツのチーム代表スヴェン・クヴァントは、次のように総括しています。「今回のテストは、非常に過酷な条件下で実施されました。アウディスポーツがこのテストを完璧にサポートしてくれた結果、走行中のタイヤのパンクを再現することができ、これにより、1月のレース中に発生した状況をより良く分析することが可能になりました。サスペンションの設定が、タイヤのトラブルに密接に関係していることが判明したために変更を加えました。まだ完璧な解決策を見出したわけではありませんが、このテストは大きな価値があり、私たちは正しい方向に進んでいます」

 1月のアクシデントで負傷したサインツは順調に回復し、コドライバーのクルスとともに、今回のテストに参加しました。このテストでは、ペテランセルもクルスとコンビを組みました。エクストロームは、ペアを組むコドライバー、ベリークヴィストとテストに参加しました。

 ミヒェルは、次のように説明しています。「今回のテストは肉体的に非常に過酷なコースで実施されたため、1月に負傷したペテランセルのコドライバー、ブーランジェは参加を見送りました。彼の体調はまだ万全ではないため、さらなる治療のため、過度なストレスは禁物です。これは、正しい判断だと思います」

 チーム・アウディスポーツは、サウジアラビアで行われたテストで、最高42℃の気温と、度重なる強風に見舞われ、チームスタッフにとっても条件は厳しいものでした。電気ドライブシステムとreFuelを使用した低エミッション・エネルギーコンバーターを搭載したアウディRS Q e-tron E2は、問題なくテストを完了しました。2568kmに渡り高い信頼性を示したアウディRS Q e-tron E2は、革新的なコンセプトの成熟度を示しただけでなく、厳しい日程の中でプログラムを体系的に完了することができました。

 サウジアラビアでのテストは、技術的な調査から得られた成果に加えて、意思決定や運転スタイルの面でも貴重な洞察を得ることができました。チームは本拠地に戻り、記録したすべてのデータの包括的な分析を行う予定です。このように、アウディとQモータースポーツは、2024年のダカールラリー参戦に向け、開発および組織における次のステップの準備に取り組んでいます。

アウディRS Q e-tron E2のサウジアラビア・テストの様子
アウディRS Q e-tron E2のサウジアラビア・テストの様子
テストでは2023年のダカールラリーで頻発したパンク原因の調査が行われた。
テストでは2023年のダカールラリーで頻発したパンク原因の調査が行われた。
アウディRS Q e-tron E2のテストは2023年5月にサウジアラビアで実施された
アウディRS Q e-tron E2のテストは2023年5月にサウジアラビアで実施された
アウディRS Q e-tron E2のサウジアラビア・テストの様子
アウディRS Q e-tron E2のサウジアラビア・テストの様子


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