更新日: 2023.06.22 20:40
ヘイデン・パッドンやマッズ・オストベルグらを退け、地元マルティン・セスクが連覇/ERC第4戦
市街での最終SSSとなった2.54kmこそ出走順のアヤで最速の座を譲ったものの、2番手のパッドンと3番手のMRF陣営マッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)ら、ふたりの世界選手権経験者に対して堂々28.3秒のリードを築いた。
「SS1はクレイジーだったね」と振り返ったセスク。「全距離の半分は、どこがステージなのか、どこがコーナーなのか全く分からないほど。道路脇の電柱を見て、その電柱を頼りに視界のない中を進んでいった。でも、いくつかの場所ではすでに(電柱は)破壊されており、完全に見えない場所もあった。僕のコドライバーも30m先のコーナーを読んでくれるが、こちらはただなんとなく、そのコーナーがどこにあるのかを感じようとしているだけだった(笑)」
サービスが設定されたリエパヤ生まれの若者は、続く4SS構成のレグ2でもスピードを緩めることなくベストを連発。ミッドデイサービス時点でマージンを34.2秒に広げると、午後最初のSS9こそセーフティマージンを取り、フィンランド王者ミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビアRSラリー2)に最速を譲ったが、最終パワーステージではパッドンより0.001秒速くフライングフィニッシュを通過。ボーナスの5点も加算する強さで、地元大会連覇を達成してみせた。
「もう完璧だったね! 今週末はとても特別だった。明らかにチームMRFタイヤのおかげだし、地元のファンや周囲のみんなにも心から感謝している」と笑顔を見せたセスク。
この連勝劇で、選手権でも30点差圏内に迫ってきた地元スペシャリストに対し、南半球NZ出身のパッドンも「できる限りのことをした。でもこのイベントでは、おそらく彼に勝つことはできなかっただろう」と完敗を宣言した。
「ホームグラウンドでマルティンに勝つのはかなり難しい。でもそれは最初から分かっていたこと。次の(ERC初開催)スウェーデンは、もう少し僕らの間で互角になると思うし、もう少し僕らの好みにも合うはずだ。あのイベントは誰にとっても初めてのことであり、我々は間違いなく良い戦いをするだろう」と続けた36歳のパッドン。
そう今季のチャンピオン筆頭候補が語るとおり、続くERC第5戦はWRC世界ラリー選手権でおなじみ、本来なら雪と氷のカールスタッドを拠点とした初開催のグラベル”サマー”ラリーこと『ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビア』が、7月6~8日の週末に開催される。