更新日: 2023.07.24 23:23
アウディ、3度目のダカールラリーに向け『RS Q e-tron』を改良。ダンパーとタイヤに焦点
テクニカル・ディレクターのレオナルド・パスカーリと彼の開発チームは、スペインでのテスト走行およびテスト参戦では、アウディRS Q e-tronのサスペンションとタイヤに焦点を当てて改良を加えたと言う。
「多くの可能性を試すために、さまざまな設定をしたショックアブソーバーを用意したんだ。そして、RS Q e-tronと最適なマッチングを実現するBFグッドリッチの新しいタイヤも使用しているよ」と語ったパスカーリ。
この他にもボディ形状の最適化によってフロントガラスの汚れが少なくなるなど、細部に改良が加えられた。
「この2日間でダンパーに関する知識が大幅に深まった」と語るのは、2023年のダカールで、アウディ勢唯一の完走者となったエクストローム。
彼に賛同するように、サインツも「サウジアラビアで行った前回のテストの結果が活かされ、我々はさらに前進している」と述べた。
バハ・アラゴン・ラリーのレギュレーションでは、土曜日のふたつのステージ間のサービス、およびステージ終了後のサービスは30分間に限定されており、車両に対する作業を許される人数も3人のメカニックにドライバーとコドライバーを加えた計5人までと厳しく制限されている。アウディスポーツがスペインのサラゴサで行ったテストには、こうした厳しいサービス条件に対応するための準備も組み込まれていた。
アウディにとって3回目のダカールラリー参戦に向けた準備が進められるなかで、2024年大会の開催までは残り6カ月を切っており、今回行われたスペインでのテストは彼らが“集中的な準備段階”に入ったことを示している。今年1月のイベントではアクシデントによってリタイアとなったペテランセルは、「テストは良いことだが、実戦モードに戻ることも重要だ」と強調する。
「これはドライバーとコドライバーだけに当てはまるものではない。チームの新しいメンバーも実戦環境に慣れる必要があるんだ。時間的なプレッシャーがあるなかで、完璧な準備を続けなければならない」
チーム・アウディスポーツはバハ・アラゴンに続いて、次回は10月のラリー・デュ・マロックへの参戦を予定している。『フォード・レンジャーT1+』の登場も予定されているモロッコのラリーイベントは、ダカールラリーと同様に砂漠が舞台となり、走行距離はバハ・アラゴンよりも大幅に長いものとなる。これらの追加のテストを行うことで、2024年1月のダカールラリーに向けたアウディチームの準備が整えられていく計画だ。