迎えたSS18では、雨上がりの非常に難しいコンディションのなか、勝田が今大会2度目のステージベストタイムを刻み、ライバルを6.4秒後方に追いやってみせた。
結局、ここでの対スニネンの“貯金”がラリー最終日の逃げ切りを成功させるポイントとなったが、勝田はラリー後に開かれたオンライン取材会において、土曜日の最後のステージでプッシュするという判断が独断だったことを明かしている。
「土曜日は総合3番手に上がったり落ちたり、本当にコンマ何秒かの差で(順位やギャップが)行き来しているような状況で、このまま最終日に行った場合『どれだけリスクを負うのか』という勝負になってくると考えました」
「自分としては、なんとか土曜日の時点である程度アドバンテージを作っておきたかった、という思いがありました」
SS18は路面がウエットとドライのミックス状態となっており、非常に難しいコンディションだった。しかし勝田はあえてこの場所でプッシュすることで、ライバルを引き離すことができると考えたという。また彼は、ワークスドライバーとしてチームにポイントを持ち帰る使命を負っていることから、ラリー最終日に大きなリスクを持ち込まないことを望んでいた。
「もう、そこでプッシュしないと翌日が非常に厳しくなる。そういった思いで(SS18で)攻めることを決めました。最終日に負うはずだった分のリスクを前日の負えるところで負って、なんとか貯金にしたいという感じでしたね」
「正直に言うと独断だったのですが、本当にそこでしか差がつけられないと思ったので。ミスもありながらも、なんとかうまくいきました」
本人はステージ5、6番手となった金曜午前中のSS3とSS4の走りに「がっかり」していると述べるも、全選手が走行したSS2での最速タイムも含めステージウインを3回、セカンドベストが2回、3番手タイムは都合9回と週末を通して安定したスピードを発揮し見事、結果を残してみせた勝田。勝負勘も冴えた今大会での活躍を機にシーズン残り4ラウンドでの好結果に期待が膨らむ。もちろん、ラリージャパンでの2年連続ポディウムフィニッシュも不可能ではないはずだ。


