更新日: 2023.08.20 12:56
【速報】元GPライダー青木拓磨がアジアクロスカントリーラリー初優勝。不屈の挑戦、14度目で結実
通常であれば、ここからの逆転勝利はまず不可能と言っていい。しかし翌15日(火)に状況が一変する。
ラリーの主催者が、競技初日に行われたSS1のコース設定に安全上の不備があったことを認め謝罪する一幕があり、同時にSS1のスタートからPC(パッセージコントロール)までの前半区間のタイム、およびペナルティを“無効”とする決定を下したのだ。
これにより当該区間でのおくれと、それに起因するペナルティによって勝負権を失ったかに思われた青木組に上位入賞のチャンスが巡ってくる。
SS2を終えてトップと52秒差の総合3番手に“急浮上”した青木は、TGRインドネシアのフォーチュナー勢がステージタイム上位トップ3を独占したSS3後に総合首位に立つと、タイから国境を超えラリーの舞台がラオスに移ったレグ4のSS4で、二日連続となるステージ2番手タイムを記録し、首位の座をキープする。
さらに終盤戦のレグ5でも、総合2番手につけるチームメイトや同3番手の“前年覇者”チャヤポン・ヨーター(チーム三菱ラリーアート)を上回るSS3番手タイムを記録した青木。後続に6分11秒のリードを持って迎えた最終日、49歳の彼は6日間の競技の集大成となった全長51.96kmのSS6をステージ17番手タイムで走破し、最後は4分28秒差で逃げ切り見事優勝。自身14回目の挑戦にして悲願のアジアクロスカントリーラリー初勝利を達成した。
前述のとおり、総合2位は僚友のモレンシャディ組。TGRインドネシア勢に次ぐ総合3位には、三菱自動車が技術支援を行いタイのタント・スポーツが走らせる新型ミツビシ・トライトンで大会連覇を目指したヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組が入っている。