彼女にとってこのシリーズに参加した意義は、タイトル戦線に加わる前の段階で、すでに充分な実りとして得られていたようだ。
「結局のところ、チャンピオンシップに勝つために学ぶ必要があるのは小さなことばかりで、私は今季すでに多くのことを学んでいる。ほとんどすべてのトラックが私にとって初めてで、このトラックもかなりドリフト・スタイルのようで、新たな挑戦になるでしょうね」と続けたコチュリンスキー。
「でも、それこそが私がここにいる理由よ。私はラリークロスに長く留まりたいと思っているし、それにこのスポーツで私が学んだことがひとつあるとすれば、それはこうして何かが起こる可能性がある……ということね」
迎えた土曜の予選プラクティスでは、前戦デビューウインを達成したトミ・ホールマン(SETプロモーション)が主導権を握ったものの、タイトルを争うシェクヴィスト、アンダーソン、そしてコチュリンスキーのトリオは、それぞれわずか0.140秒差の2位、3位、4位につける白熱の展開に。
その背後には、自身2年前の国際ラリークロスデビュー以来のRX2e復帰となるWorldRXレギュラーのクララが5位で続き、僚友グロンホルムはトラフィックにも阻まれ8位に留まる厳しい出だしとなる。
さらに土曜のヒート1とヒート2を経た頃には、シェクヴィストとアンダーソンが中間クラスのポイントで同率に並び、勢いに勝るコチュリンスキーがそれを追う展開に変わっていく。しかし日曜のヒート3とヒート4を経て迎えたセミファイナル1では、他車との接触を喫したコチュリンスキーが無念の敗退を喫し、ここで僚友アンダーソンにタイトル獲得を託すこととなる。
そのファイナルではチャンピオンシップリーダーが冷静な計算を見せ、選手権上のライバルであるシェクヴィストを背後に抑えておければ、首位を行くホールマンを「捉える必要なし」と判断して2位でチェッカー。シーズンを通した一貫性が大きく実を結ぶ結果となった。
「全員が同じツールを持っているときに、こうしてトップでフィニッシュできるのは素晴らしいことだ。今季の僕らにとって成功の最大の鍵は、ミカエラ(-アーリン・コチュリンスキー)という本当に速いチームメイトがいたこと。つまり、細部を見つけてクルマを速くするために協力することができたんだ」と喜びを語ったアンダーソン。
「このタイトルはクリストファーソン・モータースポーツにも帰属する。彼らはこのタイトルに大きな役割を果たしているからね。また戻ってきて、防衛できることを願っている」
これで併催シリーズのカレンダーがほぼ終了したWorldRXだが、次戦は10月7~9日に南アフリカはケープタウンでのダブルヘッダーが。さらに11月12~13日には、香港はセントラル・ハーバーでの初開催イベントが予定されている。



