一方、首位ロバンペラを2番手のエバンスが33ポイント差で追う展開となっていたドライバー選手権は、その差が31ポイントに縮まり王者決定は次戦以降に持ち越された。なお、タイトル獲得の権利を有するのはロバンペラ/ハルットゥネン組と、エバンス/マーティン組に絞られている。
ラリー最終日を総合6番手からスタートした勝田は、前述のとおり順位をひとつ上げそのまま総合5位でフィニッシュし、ワークス登録ドライバーとしての仕事を完遂した。パワーステージでは5番手タイムを記録し、ボーナスの1ポイントをドライバー選手権ポイントに加えている。
「このラリーを、このような形で終えることができて嬉しく思う」と語るのは、チームを3年連続マニュファクチャラーズチャンピオンに導いたヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「土曜日は本当に厳しい一日だったし、今朝は表彰台に上がることは難しいかもしれないと思うなど、決して簡単ではない週末だった。しかし、ラリーではつねにサプライズが起こり得るので、忍耐強く最後まで走り続ける必要があることが改めて証明された」
「シーズン中、チームと選手たちが頑張ってくれたことを本当に誇りに思う。シーズン終了まで2戦を残してのマニュファクチャラーズタイトル獲得は、TGR-WRTとしてはもっとも早い記録だ」
「競争は激しく、クルマのパフォーマンスは接近しているが、そのなかで信頼性を高め、今回のようにクルマを最後まで問題なく走らせたことでライバルに差をつけることができたのだと思う」
「今はドライバーズタイトルとコドライバーズタイトルを争う2クルーのうち、どちらが残り2戦で成功を手にするのか楽しみでならないよ」
2023年シーズンのWRCも、残すところあと2戦。最終戦『ラリージャパン』を前に控える次戦第12戦は、10月26日(木)から10月29日(日)にかけて行われる『セントラル・ヨーロッパ・ラリー』だ。WRC初開催となる同イベントは、ドイツ、オーストリア、チェコの三カ国を舞台とするターマック(舗装路)ラリーで、サービスパークはドイツのバイエルン州パッサウに置かれる。


