今シーズン、WECにデビューしたイタリアのブティックメーカーであるイソッタ・フラスキーニは、『ティーポ6 LMHコンペティツィオーネ』をデュケーヌとベクター・スポーツにそれぞれ1台ずつ託す計画だったが、実際には前者のみがハイパーカー・プログラムを運営している。彼らにとって2025年に2台目のクルマを投入することは最大の課題となるだろう。
デュケーヌのチーム代表であるマックス・ファバーはSportscar365に対し、チームはイソッタ・フラスキーニ社と「目下調整中」であると話したが、WECは小規模メーカーが将来シリーズに参加することを困難にするべきではないと警告した。
「(我々にとって)2台体制は大きな挑戦だ」と同氏は語る。
「考慮すべき多くのパラメーターがある。ドライバーのラインアップ、スポンサー……今年は2年目への進化をもたらす大きな年だ」
「それと同時に、2台体制の義務化は私たちが言わなければならないことでもある。人間的な構造の場合、2年目あるいは生き残るためにアップグレードが必要なら3年目にプロジェクトを固定することができる。2台体制が義務化されれば、グリッドの多様性は少し低下するだろう」
「これは我々も承知しているトピックであり、我々はルールを受け入れている」
「しかし、彼らはさまざまなアプローチで異なるメーカーに耳を傾けている。彼らは小さな組織を存続させるオプションを与えなければならない」
ファバーは、イソッタが2025年に2台目のマシンを走らせるためには、資金の持ち込みができるドライバーを見つけることが「議論の一部」になると認めたうえで、イソッタから2台体制が受け入れられるだろうと楽観的な見通しを示した。
「もし(メーカーに)2台での参戦が求められるのであれば、(ルールに従い)2台のエントリーを提供しなければならない。WECはすべての異なるチームを考慮してこの問題を解決する必要がある。彼らは難しい決断を迫られている」
「(来シーズンに向けて)自信過剰になるべきではないが、私たちはこの方向で取り組む必要がある」
40台のグリッドのうち計18台で構成されるLMGT3のフィールドに変更がないと仮定すると、ハイパーカークラスには2台体制の9チームが走らせる計18台と4台のカスタマカーが配置されることとなる。
既存のメーカーがすべて継続参戦したうえでアストンマーティンが計画どおりに参加する場合、2台体制のチームから20台が参加するため顧客用のクルマが入るスペースは2台分となる。なお今シーズン、ハイパーカークラスに出場しているカスタマーカーは『ポルシェ963』が3台、『フェラーリ499P』が1台だ。


